人生は野菜スープ~usamimi hawkrose diary

元雑誌フリーライター。勝手気儘に音楽、映画、現代詩、自炊などについて書いています。

新・ムーミン谷のレストラン(58)

 まず定義から入ると、とムーミンパパは言いました、「くじ」とは勝ち負けや順番の割り当てを、結果があらかじめわからないように選択をさせることか、またはその方法を言う。くじは参加者に見えないようにされていてもいいし、また選択後に無作為に割り当てを行ってもよい。この場合は選択後の割り当てがくじになるわけだな。わかりやすい例では宝くじや公団住宅なんかがそうだ。
 その昔サイコロの一振りは偶然には委されないと言った詩人がいたがそれは詩的パラドックスであって、通常くじ引きの確率はくじを引く順番によらず確率保存の法則により平等であることが前提とされる。宗教的に神意を問うため用いられることもあるが、通常世間で行われるくじは確率的に平等な割り当てのため用いられ、つまり平等性が原則だから、あらかじめ公な単純な確率計算以上の結果予測は行えないことが必要な条件とされる。
 もちろんくじは時にその性格からギャンブルの手段としても用いられる。というか非常に多い。この場合は娯楽性を高めるため、戦略的な選択から勝率を高める可能性を持たせることもある。何とか言わんやだな。
 ギャンブル以外のくじの機能としては、まず抽選。これはスポーツ大会の試合組みや政治家・公職者の決定などに用いる。スポーツはともかく政治家とかもかいと思うが、この分野では同点獲票も多いらしいのだ。次に吉凶の判断。いわゆるおみくじ、その他占いがそれになる。用具に石・貝殻・骨など自然物を用いる場合は、特に宿る霊力や精霊などを信じた占い的・呪術的な要素が強くなる。
 さらに資金調達ないし集客があり、これも古来からある。富くじ・富籤、LOTO、totoなどなど。これは富札を発券し利益分配を行うもので、当選者に利益分配される建て前だが結局堂本が一番儲かる仕組みで、還元率を引いた堂本の取り分をテラ銭と呼ぶ。某国では富くじの発売・取次ぎ・授受は刑法187条により処罰される。ただし個別の法律で合法化された場合もあり、一例に当せん金付証票法に基づき発行される宝くじがある。ちなみにLOTOもtotoも国際的・歴史的にこれほど還元率の低い、テラ銭率の高い富くじはないと指摘されている。
 また身近なものでは福引もくじに当たる。くじで利益分配するが富札を発券しないもの。遊戯ではビンゴなどもくじの一種になる。ところで私が当たりらしいが、これは何のくじだ?
 殺到する群集。