人生は野菜スープ~usamimi hawkrose diary

元雑誌フリーライター。勝手気儘に音楽、映画、現代詩、自炊などについて書いています。

クイックシルヴァー・メッセンジャー・サーヴィス Quicksilver Messenger Service - 愛の組曲 Happy Trails (Capitol, 1969)

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クイックシルヴァー・メッセンジャー・サーヴィス Quicksilver Messenger Service - 愛の組曲 Happy Trails (Capitol, 1969) Full Album
Recorded at Fillmore West, Fillmore East and Golden State Recorders, 1968
Released by Capitol Records ST-120, March 29, 1969 / US#27(Billboard)
(Side one)
A1. 愛の組曲 Who Do You Love Suite : https://youtu.be/7bWdv9oTUbg - 25:22
I. Who Do You Love (Part 1) (Ellas McDaniel) - 3:32
II. When You Love (Gary Duncan) - 5:15
III. Where You Love (Greg Elmore) - 6:07
IV. How You Love (John Cipollina) - 1:49
V. Which Do You Love (David Freiberg) - 2:28
VI. Who Do You Love (Part 2) (McDaniel) - 5:51
(Side two)
B1. Mona (McDaniel) : https://youtu.be/rc3BsFZDERk - 6:53
B2. Maiden of the Cancer Moon (Duncan) : https://youtu.be/kc8w-YUBnp4 - 2:54
B3. Calvary (Duncan) : https://youtu.be/ABtOAcRWF1w - 13:31
B4. 幸せへの道 Happy Trails (Dale Evans) : https://youtu.be/JA1B-wUdiqs - 1:29
Quicksilver Messenger Service ]
John Cipollina - guitar, vocals
Gary Duncan - guitar, vocals
David Freiberg - bass, vocals, piano
Greg Elmore - drums, vocals, percussion

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 2ギターが交互、または同時にリード・ギターを勤め、自在にリズム・ギターで絡む。そういった躍動的なギター・アンサンブルが巧みなロックバンドは枚挙にいとまがありませんが、70年代にウィッシュボーン・アッシュ(イギリス)、ニューヨーク・パンクのテレヴィジョンらがお手本にしたのがグレイトフル・デッドでありクイックシルヴァー・メッセンジャー・サーヴィスでしょう。デッドのアンサンブルが素晴らしいのは言うまでもありませんが、よりアグレッシヴなギター・アンサンブルを聴かせてくれたのがクイックシルヴァーのジョン・シポリナとゲイリー・ダンカンの2ギターでした。このコンビに匹敵するのはMC5のウェイン・クレイマーとフレッド・"ソニック"スミス、オールマン・ブラザーズ・バンドデュアン・オールマンディッキー・ベッツくらいなもので、この3組は短期間の活動の後でコンビの一方が逝去しているため、なおさら残された音源が貴重になります。デッドのジェリー・ガルシアとボブ・ウェアもですがガルシアが故人ですが、活動歴が長く音源も膨大なので前記3組のような衝撃性には欠けます。
 クイックシルヴァーは実は専任ヴォーカリストがメイン・ソングライターのバンドでした。ですがデビュー・アルバム制作直前にヴォーカリストが法令違犯で服役したためファースト・アルバムとセカンド・アルバムは残りのメンバーだけで作ることになり、結果的に'60年代末のロック・ギター・アルバムの金字塔になったのです。本来のクイックシルヴァーの方向性はヴォーカリストのディノ・ヴァレンテが復帰したサード・アルバムからになりますが、初期2作とヴァレンテ不在で2ギターが炸裂するその時期のライヴで人気を高めたバンドはリスナーの要望とすれ違って迷走することになりました。ともあれ、ライヴ音源とスタジオ録音をミックスした傑作セカンド『愛の組曲』をお聴きください。また、デビュー・アルバムからは直接リンクが拾えなかったのでライヴ・テイクやスタジオ録音の別テイクを引きました。名曲「The Fool」を聴くと、この曲にはヴィオラが入っていることもあり、ギター・サイケからプログレッシヴ・ロックに発展していく萌芽が見られます。ジャズ・ロックのA4「Gold and Silver」やA2「Light Your Windows」もブリティッシュ・ロック的な曲想を持っており、サンフランシスコの二流ヒッピー・バンドというイメージで何となく敬遠されている向きには意外に思われるのではないでしょうか。

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クイックシルヴァー・メッセンジャー・サーヴィス Quicksilver Messenger Service - Quicksilver Messenger Service (Capitol, 1968)
Recorded in 1968
Released by Capitol Records ST-2904, May 1968 / US#63(Billboard)
(Side one)
A1. Pride of Man (Hamilton Camp) : https://youtu.be/DH9GH1q3hsM - 4:08 ;(1966 Live Dino Valenti vo. Version)
A2. Light Your Windows (Gary Duncan, David Freiberg) : https://youtu.be/MM0l5_ijUrQ - 2:38 ;(1968 Live Version)
A3. Dino's Song (Dino Valenti) : https://youtu.be/ys6d3lrCPgY - 3:08 ;(1967 Live Dino Valenti vo. Version)
A4. Gold and Silver (Gary Duncan, Steve Schuster) : https://youtu.be/H1W1O-uDx_c - 6:43 ;(1968 Studio Outtakes)
A4. Gold and Silver (Gary Duncan, Steve Schuster) : https://youtu.be/TCHsV-zDypg ;(1968 Live Version)
(Side two)
B1. It's Been Too Long (Ron Polte) : https://youtu.be/HZCFE7jMavU - 3:01 ;(Tribute Band 2012 Cover Version)
B2. The Fool (Gary Duncan, David Freiberg) : https://youtu.be/0eM-6yPwiwY - 12:07 ;(1968 Live Version)
Quicksilver Messenger Service ]
John Cipollina - Lead Guitar
Gary Duncan - Guitar, Vocals
David Freiberg - Bass Guitar, Vocals, Viola
Greg Elmore - Drums

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