ヴェルヴェット・アンダーグラウンド&ニコ The Velvet Underground & Nico - The Velvet Underground & Nico (Verve & Alternates, 1966-1967) Full Album
1(A1). Sunday Morning : https://youtu.be/Xhbyj8pqUao - 2:56 *original album version
2(A2). I'm Waiting For The Man (Live, 1966) : https://youtu.be/DFlpmwJXJWk - 3:16
3(A3). Femme Fatale : https://youtu.be/b5nBP_gyNiY - 2:37 *original album version with Japanese movie trailer
4(A4). Venus in Furs (Live, 1966) : https://youtu.be/Sc74Ffwa_UU - 4:58
5(A5). Run Run Run (Live, 1966) : https://youtu.be/UR8sw7no17A - 9:11
6(A6). All Tomorrow's Parties (Live, 1966) : https://youtu.be/EJs584TdW1o - 5:19
7(B1). Heroin (Live, 1966) : https://youtu.be/i4ox0Kw3J1o - 7:10
8(B1'). Heroin into I'll Keep It With Mine (Rehearsal, 1966) : https://youtu.be/tP5-vv9mmZM - 7:52
9(B2). There She Goes Again (Live, 1969) : https://youtu.be/hlM2zGg7_Bc - 1:56
10(B3). I'll Be Your Mirror (120% Stretch): https://youtu.be/GFQWflbG4h4 - 2:40 *original album version stretched 120% longer
11(B4). The Black Angel's Death Song (Live, 1966) : https://youtu.be/-PrBN5zuXAU - 4:20
12(B5). European Son (Rehearsal, 1966) : https://youtu.be/37M3ZupQV4U - 4:11
13(Appendix1). You're Driving Me Insane (1966, Demo) : https://youtu.be/vxoazvE2sdM - 2:13
14(Appendix2). Index (cardboard-disc, 1967) : https://youtu.be/Z0O5_D0Sc-I - 4:45 *original cardboard-disc version
15(Appendix3). Loop (cardboard-disc, 1966) : https://youtu.be/kWHVHi7jLbo - 7:19 *original cardboard-disc version
Originally Verve Album "The Velvet Underground & Nico" Recorded in March to April & November, 1966
Originally Released by Verve Records V/V6-5008 in March 12, 1967
Produced by Andy Warhol expect A1 Produced by Tom Wilson
All Songs written by Lou Reed expect A1&B4 written by Lou Reed & John Cale, B5 written by Reed, Cale, Morrison & Tucker, Appendix2 by The Velvet Underground & Nico, Appendix3 by John Cale.
[ The Velvet Underground & Nico ]
Personnel on the original album:
John Cale - electric viola (1, 4, 6, 7, 10), piano (1, 2, 3, 6), bass guitar (2, 3, 5, 8, 10-12), celesta (1), hissing (11), sound effects (12)
Sterling Morrison - rhythm guitar (2, 5, 7, 8, 9), lead guitar (3, 11, 12), bass guitar (1, 4, 6), backing vocals (3, 5, 8)
Nico - vocals (3, 6, 10), backing vocals (1)
Lou Reed - lead vocals (1, 2, 4, 5, 7, 8, 11, 12), backing vocals (3), lead guitar (1-5, 7-12), ostrich guitar (4, 6)
Maureen Tucker - percussion (1, 3, 7-8, 10-12), drums (2, 5), snare drum, (3), tambourine (2, 3, 4, 6, 9), bass drum (4, 6)
Doug Yule - bass, backing vocals (9)
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(Original Verve Records "The Velvet Underground & Nico" LP Liner & Gatefold Cover)
これまでヴェルヴェット・アンダーグラウンドを主に1968年末~1969年末のライヴ音源でご紹介してきましたが、ご紹介できるのがほとんどダグ・ユール加入後のライヴ音源しかなかったのでそうなったわけです。それもいいのですが、ヴェルヴェットというと第一に来るのはオリジナル・メンバーのジョン・ケイルがいて、ゲスト・シンガーの女優ニコがいたアンディ・ウォホールのお抱えバンド時代のデビュー・アルバム『ヴェルヴェット・アンダーグラウンド&ニコ』Velvet Underground & Nico (Verve, 1967.3)なのが定評あるところでしょう。しかしヴェルヴェット・アンダーグラウンドの全公式音源は現在世界最大手のユニヴァーサル・ミュージック・グループが版権を握っており、私家録音のライヴ音源やプライヴェート音源のうち良質なものは2012年~2015年に発売されたオリジナル・アルバム発売45周年記念デラックス・エディションのボーナス・ディスクに収録して公式音源化してしまい、わずかなサンプル音源を除いてインターネット・サイト上のアップロードには片っ端からロックしています。同じ元ポリドール系列ではムーディー・ブルースなども同様で、これらはロックの古典的作品なのだし、LP時代の昔と違ってCDは物価指数の割安な商品だし、You Tubeなどで手軽に試聴できる方が商売上手なのではないかと思いますがどうでしょうか。
そういうわけで'60年代ロックの古典中の古典であるヴェルヴェットの公式スタジオ・アルバム4作をまるごとサイト上で試聴できないのは残念で、このブログでは音源を引けないものはじれったいので関連作品でもリンクを引けない限り後回しにしているのですが、幸いヴェルヴェットには公式商品化はきびしい音質のものが活動期間の少なさと当時全然売れなかったバンドには珍しく裏流通しており、ただしそれらの大半はマネジメントの交替に伴いジョン・ケイルが脱退して後期メンバーのダグ・ユールが加入して公演回数が増加した1968年末以降のものであり、マルチ・プレイヤーだったケイルに対してユールの担当楽器はベースかオルガンで、またリーダーのルー・リードの嗜好の変化もあってケイル在籍時の2枚のアルバムの楽曲もユール加入後の第3作以降のアルバムの楽曲アレンジと近いものに変わっています。これまでご紹介してきたライヴ音源がそれに当たります。日本でヴェルヴェット・アンダーグラウンドに相当する突然変異的な'60年代バンドはジャックスが上げられますが、ジャックスもデビュー・アルバム発売(1968年9月)直前にリード・ギターの水橋春夫が脱退、角田ヒロが加入しセカンド・アルバム(1969年10月発売)を製作途中でリーダーの早川義夫も脱退してしまいアルバム半数の曲はゲスト(辞めた水橋も含む)を迎えて残りのメンバーで仕上げる、という具合にルー・リードが脱退(1970年8月)後にダグ・ユールのバンドになったヴェルヴェットと似た経緯をたどります。ジャックスのライヴ音源は大半が後期メンバーでのもので、ヴェルヴェットほどではありませんがオリジナル・メンバー時代とはアレンジを変えたものです。今回はひと苦労して、わずかなスタジオ・ヴァージョン(A1, A3, B3)と残りの曲はデビュー・アルバム製作前後のジョン・ケイル在籍時のデビュー・アルバムのアレンジが聴ける1966年のライヴとリハーサル音源(B2のみユール加入後の1969年ライヴですが、珍しくアレンジが変わらなかった曲)でアルバム『Velvet Underground & Nico』の全曲を試聴できるよう揃え、アルバム未収録曲のデモ録音Appendix1、アンディ・ウォホールの書籍『Index』添付ソノシートAppendix2、雑誌「Aspen」1967年2月号付録ソノシートAppendix3(バンド名義ですがケイル一人で製作したもの)をオマケにつけました。これらAppendix3曲は未だに公式商品化されていないものです。
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(Original Verve Records "The Velvet Underground & Nico" LP Inner Sleeve, Side1 & 2 Label)
ヴェルヴェット・アンダーグラウンドは1993年にオリジナル・メンバーの4人で(ニコは1988年に逝去していました)期間限定で再結成しましたがスタジオ録音アルバムは作らず、すでにメンバー各自のソロ・キャリアの方が長く、またレパートリーの半数がケイル脱退後の楽曲なので'60年代の前期ヴェルヴェットとも後期ヴェルヴェットともかなり異なる音楽性のライヴ・バンドになっていました。デビュー・アルバム当時24歳だったメンバーたちは50歳を迎えていましたから、演奏の質感が違っていても当然です。やはり'90年代にソロ・アーティストとしてカムバックした早川義夫のコンサートで新曲とジャックス時代の曲の新アレンジが居心地悪く同居していたのと同様でした。ジョン・ケイル時代の'60年代のライヴ音源は音質良好な1966年11月のクリーヴランドでのライヴと1967年4月のニューヨークでのライヴがデビュー・アルバムの45周年記念版とセカンド・アルバムの45周年記念版のボーナス・ディスクに各々収録されましたが、これらもユニヴァーサルによってロックされています。そこで1曲1曲当たってようやくデビュー・アルバム収録曲全曲分を探し当てたのが今回のリンクです。確かに商品化には耐えない貧弱な録音状態で、演奏もスタジオ・ヴァージョンには及ばない出来ですが1966年にこんな雑音みたいな実験的ロックを演っていた片鱗はお伝えできたのではないかと思います。ヴェルヴェット・アンダーグラウンドのアルバム(CD)は買ったはいいが持て余して中古ショップに売ってしまう人が多く、中古店や通販サイトで捨て値で購入できます。スタジオ・アルバムを聴き較べればこれらのライヴ音源は非常に面白く聴ける内容のものです。この古典的アルバムは旧版プレスなら通販サイトのAmazonでは1円~(送料別)で手に入るものです。スリーヴ画像の通りヴェルヴェットはジャズ・レーベルのヴァーヴからデビューしましたが当時まったく売れなかったにも関わらず、今やヴァーヴのアーカイヴ・カタログではジャンルを超えてもっとも売れるアーティストになっているのは皮肉なことです。
アルバムからは先行シングルA6、B3が1966年7月に発売され(1966年3月~4月ハリウッド録音)、さらに1966年11月には残りの曲がニューヨークで録音されA1、A3が11月に先行発売されました。A1はアルバム・ヴァージョンがそのまま聴けますが、B3は再生速度を落としたヴァージョン、A3は宮沢りえ主演の映画主題歌に使用された予告編映像になっています。こうした細工をしないとユニヴァーサルにロックされてしまうからです。Appendix2はアンディ・ウォホールの著書の付録ソノシートでメンバーの雑談を収めたもの、Appendix3はニューヨークのアンダーグラウンド・マガジン「Aspen」の付録ソノシートでジョン・ケイルが一人で録音したベースをエフェクターに通しフィードバックさせた実験的ノイズ演奏です。今回は何とももどかしい、楽曲単位でリンクを引っ張ってきたアルバム『The Velvet Underground & Nico』全曲のオルタネイト・ライヴ集(わずかにスタジオ音源含む)になりましたが、これがジョン・ケイル在籍時、ゲスト・シンガーのニコを伴った時期のヴェルヴェット・アンダーグラウンドです。これらのライヴ・テイクがいかに面白く興味深いものかは、オリジナルのスタジオ・アルバムを聴けばじわじわと効いてくるのは『The Velvet Underground & Nico』をご存知の方ならすぐにわかります。そうであれば、今回煩瑣きわまりないご紹介記事をどうにかこうにか組んだ甲斐があろうというものです。