人生は野菜スープ~usamimi hawkrose diary

元雑誌フリーライター。勝手気儘に音楽、映画、現代詩、自炊などについて書いています。

アシュ・ラ・テンペル Ash Ra Tempel ‎- ベルリン1971ライヴ Berlin, May 19, 1971 (Seidr, 2014)

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アシュ・ラ・テンペル Ash Ra Tempel ‎- ベルリン1971ライヴ Berlin, May 19, 1971 (Seidr, 2014) Full Album : https://youtu.be/JkA4e3Kqkqw
Recorded at Akademie Der Kunste, Berlin, May 19, 1971
Reissued Released by Seidr Records SEIDR019, 2014
Originally Released by Manikin Records as "Manuel Gottsching: Private Tapes" Vol.2(MRCD 7012), Vol.3(MRCD 7013), 1996
(Tracklist)
1. Soiree Academique - 24:17
2. Le Bruit Des Origines - 32:04
[ Personnel ]
Manuel Gottsching - guitar, vocals, electronics
Hartmut Enke - bass
Klaus Schulze - drums, percussion, electronics

(Reissued Seidr "Berlin, May 19, 1971" CD Liner Cover & CD Label)

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 このクラウス・シュルツェのアルバム紹介は20世紀中にリリースされたシュルツェのソロ・アルバムを第33作『Dosburg Online』(WEA, 1997)まで紹介してからバンド・メンバーとしてのデビュー作、タンジェリン・ドリームの『Electronic Meditation』'70にさかのぼってご紹介していますが、単独アルバムとしてはアシュ・ラ・テンペルの『Ash Ra Tempel』'71の次にシュルツェのソロ・デビュー作(紹介済み)『Irrlicht』'72に続いてコズミック・ロッカーズ・セッション第1作、タロット研究家・タロットカード作家ウォルター・ウェグミュラーの『Tarot』'72('73年初頭説あり)が来ますが、1996年になってアシュ・ラ・テンペル~アシュ・ラのリーダー、マニュエル・ゲッチングが一気に6枚リリースした『Manuel Gottsching: Private Tapes』Vol.1~6に、シュルツェ在籍時のアシュ・ラ・テンペルのライヴ録音が5曲、3時間分も収録されていたのです。内訳は'71年5月のベルリンのライヴが2曲1時間、'71年9月のスイスの首都ベルンのライヴが1曲1時間、'73年2月のケルンのライヴが2曲1時間10分というもので、ゲッチングは自主レーベルから全6枚とも1,000枚限定で廃盤にして初回プレスのみで再プレスしないので、うちアシュ・ラ・テンペル音源が含まれているのはVol.2~Vol.3ですが、ゲッチングのソロ、ヘルトムート・エンケ(ベース)脱退後のアシュ・ラ時代の未発表音源が混在した『Private Tapes』からはさまざまな海賊盤が編まれることになりました。
 これも'96年にシュルツェ、ヘルトムート・エンケ(1952-2005)の承認の上でリリースされたライヴ音源なので、重要性も鑑みてご紹介しますが、シュルツェはアシュ・ラ・テンペルのデビュー作の'71年と、'73年のアシュ・ラ・テンペルの第4作『Join Inn』の時だけ在籍(参加)していたのがライヴ音源の分布からもわかります。またエンケ在籍時のアシュ・ラ・テンペルはゲッチングもエンケもSeven Up(LSD)を決めてステージに上がっていたそうで、スタジオ録音のアシュ・ラ・テンペルのデビュー作以上に阿鼻叫喚のサイケデリック地獄となっており、おそらくドラムスのシュルツェだけは素面でテクニカルなドラミングを披露していますが、ぶっ飛んだゲッチングとエンケをしっかりフォローしているためにこれまたスタジオ録音以上に凄まじいドラムスを聴かせてくれます。この5月のライヴはデビュー作が同年3月に録音されて、まだ発売以前のプレミア公演だったと思われますが、2曲で24分と32分の長尺演奏が、アルバム発表後の9月のベルンのライヴでは1曲1時間のさらなる即興サイケデリック地獄にエスカレートするのです。