人生は野菜スープ~usamimi hawkrose diary

元雑誌フリーライター。勝手気儘に音楽、映画、現代詩、自炊などについて書いています。

マイケル・シュリーヴ Michael Shrieve - トランスファー・ステーション・ブルー Transfer Station Blue (Fortuna, 1984)

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マイケル・シュリーヴ・ウィズ・ケヴィン・シュリーヴ&クラウス・シュルツェ Michael Shrieve with Kevin Shrieve and Klaus Schulze - トランスファー・ステーション・ブルー Transfer Station Blue (Fortuna, 1984) Full Album
Recorded in 1979-1983, Hambühren, Germany, and USA
Released by Fortuna Records FOR-LP 023, 1984
All Written by Kevin Shrieve (except A2), Klaus Schulze, Michael Shrieve
(Side 1)
A1. Communique 'Approach Spiral : https://youtu.be/sDsfacgTnXY - 13:20
A2. Nucleotide : https://youtu.be/gHuvjoopNks - 4:41
(Side 2)
B1. Transfer Station Blue : https://youtu.be/XdXphARcIeY - 11:57
B2. View From The Window : https://youtu.be/EkwTGBWFMt8 - 7:11
[ Personnel ]
Michael Shrieve - drums, percussion
Kevin Shrieve - guitar, electric piano
Klaus Schulze - electronics
with
Will Lee - bass (B1 Only)
Sammy Figueroa - congas (B1 Only)
Hiram Bullick - rhythm guitar (B1 Only)

(Original Fortuna "Transfer Station Blue" LP Liner Cover & Side 1 Label)

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 本作はオリジナル・サンタナのドラマー、マイケル・シュリーヴのアルバムで、アメリカのインディー・レーベルのフォルチュナ・レコーズからリリースされました。マイケル・シュリーヴの弟のケヴィン・シュリーヴとクラウス・シュルツェとの共作名義ではありますがリーダーシップはマイケル・シュリーヴがとったアルバムでしょう。シュリーヴとシュルツェはツトム・ヤマシタのGOプロジェクト('76年~'77年)で共演し、シュリーヴはその後シュルツェのヴァーンフリート・プロジェクトの第1作『タイム・アクター』'79と第2作『トーンヴェレ』'81、シュルツェのアルバム『トランスファー』'81に参加していますから、本作の録音は'79年~'83年と長期に渡っているのでヴァーンフリート作品、シュルツェ作品と平行して制作が始まったと思われます。
 公式サイトのディスコグラフィーでシュルツェは本作に一言「Eclectic.」(折衷的作品)とコメントしていますが、'80年代初頭の言い方にすればクロスオーヴァー/フュージョン的、とも言えるでしょう。シュリーヴはサンタナのバンド・サウンドの要とも言えるドラマーでしたが、ここで折衷されているのはサンタナから発展した音楽とシュルツェが持ちこんだドイツのエレクトロニクス音楽で、シュルツェの参加(コラボレーション)作品でも本作ほどコラボレーション・アルバムらしい共演作はない、という点では異色です。シュリーヴに対してはシュルツェはコンセプト面よりもミュージシャンシップで応えたとも言え、シュリーヴがシュルツェの作品に果たしてくれた貢献の返礼という感じもします。そして本作はシュリーヴのソロ・アルバムとして聴けばなかなか満足のいく佳作で、GOプロジェクト同様いちメンバーとしてシュルツェもくつろいでプレイした作品ではないかと思えます。