人生は野菜スープ~usamimi hawkrose diary

元雑誌フリーライター。勝手気儘に音楽、映画、現代詩、自炊などについて書いています。

えび天そばの恨み

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恨みは食いっぱぐれ事件にあった。写真はえび天うどんだが、細かいところは気にしないでほしい。一昨年からこのかたのことだ。苦手だ、とか高い、という恨みではない。たまに食べるとうまいと思うが、なにがなんでもとは思わない。
ではなぜえび天そばに恨みがあるのか?食いっぱぐれたからです。ではなぜ食いっぱぐれたのか?
だいたいもうなじみのかたは見当ついていると思うが正解です。入院です。拘置所じゃないだけマシかもしれない(でも拘置所はメニュー掲示されないからわからない。特に独房は)。
もったいぶるほどのネタではないから事情に移るが、ぼくの初入院は2009年12月18日~10年1月16日。こんなに短期は異例だと知ったのは10年5月の第二回入院(別の病院)でだ。
こういっては何だが、精神病棟とは入院すること自体がたいした経験になる。あのー、私3回も入院したんですけど。それと学習入院で1回と盲腸(?)で1回…精神病棟って喫煙可だけど外科・内科病棟って拘置所と同じで喫煙室ないのな。当たり前か?ぼくは入院=精神病棟だもんな。
大杉栄の「獄中記」読むと大正時代の拘置所・監獄は酒・タバコOKです。フランスの拘置所でもワインがうまかったそうだ。囚人の飼い慣らしかたが今とはずいぶん違う。というか、今では蜂起封じで時計すら備え付けないくらいだから酒・タバコ(当然火器も)が許されるわけがない。大正時代の鷹揚さが不思議だ。
幸い、長年のストレス性歯ぎしりで離婚前に全壊していた歯は入院の前年には全部義歯への治療が完了。これで過去おまわりや刑務官や前科者のみなさんに「おまえ何のクスリだ?シンナーか?(そんなの何年もやってねえよ-嘘笑)」と消去法的侮辱を浴びたことの二の舞にならずに済んだ。そんなことで初対面の仁義に無駄なメンタンきらずに済むだけでもエネルギーの節約になるのだ。
しかし大晦日の夕食はショックだった。それまでも他の患者とおかずがやや違うのは気づいていたが、みんなはえび天そばなのにぼくは山菜そばなのだ。
よくよくお盆の上の名札(食札という)を見れば、
「肝臓」
の二文字。主治医の申し送りのせいだ。確かにその頃ぼくは薬の負担で肝臓が弱り、薬も切り替えになっていたが、歳越しそばくらいいいじゃないか、と今でもえび天そば食いっぱぐれには恨みが深いのだ。
メシしか楽しみないのにさ。