人生は野菜スープ~usamimi hawkrose diary

元雑誌フリーライター。勝手気儘に音楽、映画、現代詩、自炊などについて書いています。

村八分『草臥れて』ほか

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まず写真を。50年前の日本のロック・バンドと思えるだろうか。これが頭脳警察と並び賞されたアンダーグラウンドの雄・村八分です。ただしレコード契約はなかなか決らず、唯一のアルバム「ライブ村八分」1973はバンドの解散ライブを収めたものだった。「世界で一番凄いのはストーンズ村八分だ」と豪語していたメンバーたちはこの作品を「最低」というが、日本の70年代ロックの金字塔という評価は揺がない。

『草臥れて』

あるいても あるいても
はてどなく はてどなく
にぎりしめた手のひらは
あせばかり あせばかり

あるいては 立ちどまり
目を閉じて ふりかえる
心にしまった宝は
さみしさばかり

あるいては くたびれて
ふりかえり くたびれて
にぎりしめた手のひらは
くたびれて くたびれて
(発掘アルバム「草臥れて」1991より・録音1971)

村八分は70年にアメリカ留学から帰国した柴田和志(チャー坊・ヴォーカル・作詞)が元ダイナマイツの山口冨士夫(ギター・作曲)と意気投合し、チャー坊の幼なじみの浅田哲(ギター)を誘って京都で結成。71年秋から活動を始めた。

『あっ!』

おれの事わかる奴いるけ
わかる奴いるけおれの事
耳をすましてよくききな
おれの事よく覚えな
おれはかたわ かたわ者
心のみにくい かたわ者

そうさすべて
おれのせいさ わかっているぜおれの事
耳をすましてよくききな
おれの事よく覚えな
おれはめくら めくら者
すべてのみえるめくら者

おれはびっこで
あきめくら
おれの事たすけてほしい
おれの事わかる奴いるけ
わかる奴いるけおれの事
おれはかたわ かたわ者
心のみにくいかたわ者

『水たまり』

日が暮れるまで夕焼け見てた
ぼろぐつはいて
ながめてた
がきの頃を思い出して

しゃぼん玉浮いて消えた
屋根まで飛んでういて消えた
しゃぼん玉ういて消えた

雨に打たれて水たまり
風に吹かれてふきだまり
写る瞳 水たまり
(アルバム「ライブ村八分」より)

冨士夫はマリファナで入出獄、チャー坊は入退院を繰り返し、チャー坊の急逝(94年・薬物中毒による心臓麻痺)によって村八分再結成は叶わぬものになった。