人生は野菜スープ~usamimi hawkrose diary

元雑誌フリーライター。勝手気儘に音楽、映画、現代詩、自炊などについて書いています。

続「顔」ジャケット

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先日「顔」でLPジャケットを集めてみたところ、たいへん気持悪いと好評をいただいた。実はまだまだある。しかも発表から40年あまり経ってロックの古典的名作と目されているアルバムにもこれでもか、というくらい醜悪な「顔ジャケ」があって、今でも四分の一サイズながらCDで拝めるのだ。今が旬のアーティストの人気の新作が2042年になってもまだ聴かれているかを考えれば、これはたいへんなことだ。

写真(上)から、
●The Moving Gelatine Plates'The World Of Ginius Hans'1971(日本未発売)
ドクター・ジョン「グリ・グリ」Dr.John'Gris-Gris'1968
キャプテン・ビーフハート&ヒズ・マジック・バンド「トラウト・マスク・レプリカCaptain Beefheart And His Magic Band'Trout Mask Replica'1968

と、顔というより頭まるごとというべきだが、これはいったいなんでまた(しかもプレーツはラスト作、ドクターはデビュー作、ビーフハートは移籍第一作)というようなジャケットばかりだ。いったい商売をなんと考えているのか。
大雑把に紹介するとウシ頭のムーヴィング・ジェラチン・プレーツはフランスの変態ジャズ・ロックバンドで、さっきこれがラスト作と書いたがあとはデビュー作しかない(笑)。笑ってはいけない。根が真面目なのか内容は結構まとも。
ドクターは下積み10年のベテランだったが、インパクトのあるデビューがよかろうと「ヴードゥー・ロック」を標榜して色物デビューした(でも業界では実力派の有名人だったのですぐに色物路線から本来の南部ロックに戻った)。
やばいのはキャプテンで、ビーフハートという芸名もマジなら「鱒顔仮面」ジャケットも大マジで、音楽もジャケットのイメージ通りの複雑怪奇ロック(しかもブルース風味)を発明している。まあブルースではサンハウスとかハウリン・ウルフとかシコ名は普通なので(プロレスとも共通する)、ビーフハートというのもまんざらどころか冗談のつもりはさらさらない。キャプテンさんは80年代初頭にまだ40代まもない若さで引退した。モハビ砂漠に自宅兼アトリエを構えて画家に専念しているという。近況は一切伝わってこない。
以上、顔ジャケ第二弾でした。