人生は野菜スープ~usamimi hawkrose diary

元雑誌フリーライター。勝手気儘に音楽、映画、現代詩、自炊などについて書いています。

復刻・市島三千雄全詩集 (7)

イメージ 1

●無題(草は赤を…)

草は赤を持って来るのである地主であるから願くば地球を根で真白にして火星の様な線状の所にしようとしている
根は蛆と同じ体格を持っていたから道が無い固ってしまうのである
風は何処からか赤を持って来るかわからない場所は一点地なのである
空は青いから花を咲すと餘色を呈するのである
体格が悪るかったから変人なのである反対の色を出してしまうのであるし低いから誰よりも宇宙の事が大きくなって見えるのである毅然となんか居られない断崖には居たくないのである
種によるから仕事がない努力をしたって何もならない代表者は先祖の遺風であるから世襲なのである
良い草となる糸口がないのである
小学校の理科の実験を利用して体の青を赤に変えてしまったのである
水を飲むと固体の体が成長するのである少しも土が減らない体ばっかしが出来るのである
だから地球がだんだん大きくなるのであるそして宇宙にはまってしまうのである動かないし草が流れるのであるから斜面からすべる人間なんか見えなくなるのである
春なのである畑は景色しかないのである
限り草の上半身で地下室に体の製造室がある
鬱金香畑は算術的に合って気持がいい地球が春である緑より他に無い無意識に陥っているのである
火星から見ると地斑が合図している様に見えるそしていい春なのであるどこ迄も続いているのである
土から赤を取るから魔術師で形が見なれない毛唐物である
風が不思議に出る公園は楽しいのである
草は誰にでも自分の色を取らせない独特であるから一番偉い
人が折れれと思うと折れてしまうのである弱いから多産者でないのである火星通信の第一要器である悪星が地球に衝突すると第一に草は死んでしまうのである最も物らしいのであるもう根は大分巻かれているのである
春は土台がしっかりとするのである
何でも生れるから地球も重く落ちつくのである白い息なんか出さない地球儀は之がモデルなのである
宇宙には地球が一番大きいのである
赤い色なんか火星にないのである。
(「新年」1927年5月)