7月5日は筆者の誕生日だが、7月4日というとこの曲が浮かんでくる。筆者は米軍基地のある町に生れ育ったので、アメリカ建国記念日(独立記念日)のお祭りと花火は毎年の楽しみだった。この曲はザ・バンドのデビュー作「ミュージック・フロム・ビック・ピンク」1968(画像)の巻頭曲で、世代の断絶を嘆いたボブ・ディランの書き下ろし曲。カヴァーも多く、ロックのバラードのスタンダードだろう。そういえばザ・バンドのリーダーR・ロバートソンも7月5日生れだったっけ。
『怒りの涙』
Tears Of Rage
ぼくらはきみを建国記念日に
お祭りのなか抱いて歩いた
なのにきみはいまぼくたちを棄てて
好きにしろという
ああ どんな娘が太陽の下で
父親にそんな仕打ちをしただろうか
父の手足と尽くしてくれたのに
いつしか「ノー」と言うばかりなんて
怒りの涙、悲しみの涙
なぜおれはいつでも盗人のようでなければならないのか?
だからおいで、きみはわかっているだろう
ぼくらはとても孤独で
人生は短い
きみが進んで受け入れてくれた頃は
なんの苦労もなかった
自分たちが教育を間違えたなど
思いもよらないことだった
今でも心は黄金でいっぱいの
財布のようなのに
なのに、ああ、愛はどうだろう
悪くなっていくばかりのように思える
怒りの涙、悲しみの涙
なぜおれはいつでも盗人のようでなければならないのか?
だからおいで、きみはわかっているだろう
ぼくらはとても孤独で
人生は短い
ぼくらは進路を示し
きみの名を砂に書いた
だがきみにはそれはただ
立つ場所の印だったのだ
今こそわかってほしい、ぼくらは
公正な人は誰もいないと知った
確かにそれはだれもが言うとおり
子供じみているかもしれないが
怒りの涙、悲しみの涙
なぜおれはいつでも盗人のようでなければならないのか?
だからおいで、きみはわかっているだろう
ぼくらはとても孤独で
人生は短い
(前記アルバムより・拙訳)