人生は野菜スープ~usamimi hawkrose diary

元雑誌フリーライター。勝手気儘に音楽、映画、現代詩、自炊などについて書いています。

2014-07-08から1日間の記事一覧

(再録)吉岡実『聖少女』『桃―或はヴィクトリー』『静物』

吉岡実(1919-1990・東京生れ)は同年輩の鮎川信夫と共に戦後現代詩の2大潮流を創った人で、モダニズムや兵役体験など重なる経歴も多い。だが作品は、これほどかけ離れた詩人はいないと言っていいほどだ。 『聖少女』 吉岡 実 少女こそぼくらの仮想の敵だよ! …

(再録)吉岡実『わがアリスへの接近』1974

戦後現代詩の巨匠のひとり・吉岡実(1919-1990・東京生まれ)は作風の実験にも意識的で、およそ生涯に4期の変化があり、そのいずれもが成功している。今回ご紹介する詩篇は1974年発表、大反響を呼び日本での「アリス」(ルイス・キャロル)ブームの火つけ役とな…

(再録)吉岡実『劇のためのト書の試み』1962

今回はすごいのをいく。まずは作品を。どうすごいかは、読んでみればわかる。この詩人にとってはこれがアヴェレージ作というのも念頭におかれたい。作者にとっては特に力作でも何でもないのだ。 『劇のためのト書の試み』 それまでは普通のサイズ ある日ある…