人生は野菜スープ~usamimi hawkrose diary

元雑誌フリーライター。勝手気儘に音楽、映画、現代詩、自炊などについて書いています。

続(タイトル自粛・前回参照)

タイトルだけで前回は反発を買ったと思うので今回は「続」をつけて自粛してみた。すると多少は十分な考察を経た文明論的エッセイを約束する雰囲気が漂うではないか。
だがミック・ジャガーも「約束なんてあてになりはしないだろ?」(ローリング・ストーンズ『エモーショナル・レスキュー』1980)と歌っている。こうして予防線を張れば後はどうなろうと判ったものではない。いきなり日記を書いてもいいわけだ。

今日(9/21)はアベさんの訪問看護の日だった。ユニットバスとトイレ、台所を綺麗にしておく。アベさんは水回りの汚れを点検するのが大好きなのだ(元々ぼくから頼んだのだが、毎回とは思わなかった)。この一週の医療機関通院と生活状況を雑談混じりに一時間話す。
「そうだ。CDラジカセが壊れたんですよ」
「ええっ?今はどうしてるんですか?」
「いじっているうちに一応治ったので、びくびくしながら使ってます」
アベさんはラジカセを見て、「うちも去年壊れたんですよ。これとまったく同じ機種です」
「P**ですか?どこのメーカーなんだろ」
「S**ですよ。自分で修理してみたけど駄目でした」
「よく解体できましたね」
「壊れるの承知で、力任せにひっぺがしました。CDの読み込みも壊れてたし。もう古いラジカセだったし」
「ぼくのは実家からもらって5年、93年度製です」
「19年ですか」
アベさん(33歳独身・クマさん体型・糖尿病予備軍)は修理するつもりなどさらさらなかったのに違いない。ぼくなどなだめすかして使っているのにだ。

ところでこの記事の本題は軽薄尻軽馬鹿女・および軽薄尻軽馬鹿男だったはずだが、常に患者の身になって職務にあたる精神保健福祉介護士の鑑のようなアベさんがCDラジカセをベリベリ破壊するからといって変人扱いするにはあたるまい。ぼくが冷静にCDラジカセの状態に対処したのだって精神障害者であることと関係はないだろう。要するに(というのが適切な接続詞かわからないが)ぼくはヒマだったのだ。
ただしこれは相手が単に機械だったからで、もし直接の相手が機械でもその向こうに人間が控えていたら悠長にしてはいられなくなる。アベさんのようにCDラジカセなら手早く壊して買い替えればいいが、飲み屋で開店前にビール・サーバーが故障したら商売に関わる。そこで(と明日に続く)。