人生は野菜スープ~usamimi hawkrose diary

元雑誌フリーライター。勝手気儘に音楽、映画、現代詩、自炊などについて書いています。

(47d)ジミー・スミス(org)

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Jimmy Smith(1925-2005,organ)。
57年2月11日~13日のセッションからはアルバム5枚半が制作された、と先に述べた。これは丁寧なアルバム制作では定評のあるブルーノートでは異例で、粗製乱造で知られるサヴォイやプレスティッジならいざ知らず、ブルーノートでもジミー・スミス以外にここまでやらせた例はない。
コンセプトでいうと、「ア・デイト・ウィズ~」2枚がセクステット、「アット・ジ・オルガン」2枚がカルテット。そして、
The Sound Of Jimmy Smith(1556)57.2.11,13(画像1)
-がトリオとソロになる(さらに2月13日の残り曲は65年になって58年録音の未発表曲と抱き合わせでリリースされる。以上で計5枚半になる)。

聴き較べるとやはりスミスはトリオかカルテットまでが似合う人で、57年2月セッションではトリオ中心にソロ曲でアクセントをつけたこのアルバムがいちばんしっくりくる。60年代には大手レコード会社に移籍しビッグバンドとの共演作でエンタテインメント路線に走るスミスだが、ジャズとしては60年頃までが華だったのは否めない。
このアルバムではソロ・オルガンによるバロック音楽アレンジの'All The Things You Are'が異色。MJQのバロック音楽趣味は品の良いものだが、スミスのソロ・オルガンは悪趣味と名人芸の狭間を渡るスリルがある。

お次の、
Play Pretty Just For You(1563)57.5.8(画像2)
-は企画のマンネリ化が見える。デビュー1年で10枚のアルバムをリリースし、このアルバムで11枚目。タイトル(「甘い調べをあなたに」)とジャケット、今回はブルースなしのスタンダード集で、ギターとドラムスもムード音楽調でオルガンの音色も強いトレモロがかかり、意図的にダイナミズムを抑えた仕上がり。'Jitterbug Waltz','Old Devil Moon'など陽気な曲はいいが、大半のバラード曲は締まりに欠ける(評価する人もいるが)。

結局次作は再びライヴ盤ということになった。
Groovin' At Smalls' Paradice Vol.1(1585)57.11.14,18(画像3)
(Vol.2は次回掲載)
まとめて次回で解説する。