人生は野菜スープ~usamimi hawkrose diary

元雑誌フリーライター。勝手気儘に音楽、映画、現代詩、自炊などについて書いています。

(48j)レッド・ガーランド(p)

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Red Garland(1923-1984,piano)。
またもや拾遺作品集となったのが、
John Coltrane'The Last Trane'(画像1)
-で、発売は65年。65年といえばコルトレーンは余命2年しかないが名声の絶頂で、新作アルバム「至上の愛」を発表し、「カルテット・プレイズ」「トランジション」「アセンション」と急激にフリー・ジャズ化していた。そんな時期に残り物を発掘して便乗していたのが骨までしゃぶるプレスティッジ社で、タイトルはこれでもう未発表録音は終り、という意味になる。
収録の4曲は57年8月のピアノレス・セッションから1曲(「ラッシュ・ライフ」の残り。ガーランド不参加)、58年1月のクインテット録音から2曲(ドナルド・バード=トランペット、「ザ・ビリーヴァー」の残り)、58年3月のカルテット録音から1曲(後出のアルバム「セッティン・ザ・ペース」の残り)。ガーランド参加はクインテットとカルテットの3曲。
今となっては各アルバムの追加曲に振り分けた方がいいような寄せ集めだが、未発表だった理由を詮索しながら聴くと面白い。トリオの'Slowtrane'はまあ地味だからだろうが、普通はこんな急速テンポ(しかもコルトレーンのソロは16分音符の羅列)でやらない'Lover'を始めコルトレーンひとりが暴走しているのだ。58年いっぱいガーランドとコルトレーンのコラボレーションは続くが、そろそろ無理が目立ってきた。

マイルスの「マイルストーンズ」(次回)セッションの半分を挟み、
John Coltrane'Soultrane'58.2.7(画像2)
-はコルトレーンのプレスティッジ時代の最高傑作と名高いアルバムになった。最初からアルバム構想を立てて全5曲を一日で仕上げたのも良かったのだろう。バラード、ミドル、アップテンポと曲調のバランスも良く、繰り返し聴いても飽きない。全曲いい。コルトレーンとガーランドの間に歩み寄りがあるとしても、これなら文句ない。

リズム・セクションは疲労が少ないのか、ガーランドはトリオだけで同日にもう一枚録音した。
It's A Blue World(画像3)
-がそれで、スタンダード集で全5曲と一曲が長いが、バラード主体で「ソウルトレーン」の兄弟アルバムらしい好作になっている。