人生は野菜スープ~usamimi hawkrose diary

元雑誌フリーライター。勝手気儘に音楽、映画、現代詩、自炊などについて書いています。

(50e)ルー・ドナルドソン(as)

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Lou Donaldson(1926-,alto sax)。
ルーさんの次のレコーディングはまたもやジミー・スミスの未発表作で、テナーのティナ・ブルックスとの二管フロント&ジミー・スミス・トリオになる。
Jimmy Smith:Cool Blues(画像1)58.4.7
-がそれで、以前ティナ・ブルックス全作品解説した時にも、ジミー・スミスのブルー・ノート時代全作品解説した時も見落としていたものだ。内容はこのフロント二人なら甘さに流れることもない。ただし全8曲中管入りは4曲で、オリジナル・マイナー・ブルースの逸品'Small's Minor'もスタンダードの'What's New?'も何で管を入れてくれないんだよ、同日録音だろう、ともどかしい。そこらへんの半端さが未発表作になった理由ではないか。

そしてルーさんの次のアルバムは、後年の「アリゲーターブーガルー」と並んでルーさんの代名詞となった。
Blues Walk(画像2)58.7.28
-は冒頭のタイトル曲から「おお!」このアルバムはいいぞ、と思わせる。変哲もないミディアム・ブルースなのだが、サックスの音色からしてハスキーで落ち着いたものになり、2曲目のビ・バップ・スタンダード'Move'でもソロイストのアドリブよりもバンド全体のアンサンブルの巧みさや味わいで聴かせるものに変化した。
はっきり言ってクインテットのメンバーはドナルドソン以外では録音に起用されない(特にピアノのフォスター)二流ジャズマンなのだが、このバンドでは全員が個性を発揮して、生き生きと演奏している。ルーさんの懐の深さ、無理のないリーダーシップあってこそこんなに素晴らしいアルバムができたのだ。

次作はメンバー中唯一出世したベイリー(ドラムス)がジミー・ウォームズワースに臨時交替して、
Light Foot(画像3)58.12.14
-を制作する。前々作でスペシャル・メンバーのハード・バップはやった、前作で独自のソウル・ジャズの雛型はできた。そして今回はさらに一歩進めて(Light Foot!)より一層軽やかな音楽を指向し、見事な成果をおさめている。ベスト・トラックはアルバム冒頭のタイトル曲か。ただしインパクトは前作、前々作より弱いのは否めない。