契約更新ごとに編まれたアリオラ・ハンザ時代のベスト・アルバムの中で、今のところ、これが最後になったのが、今回ご紹介するCDになる。これまで94年、98年と発売されてきたベスト盤にも『セカンド・ザット・エモーション』『ヨーロピアン・サン』『ライフ・イン・トーキョー』の、アリオラ・ハンザ時代を代表するアルバム未収録シングル曲は必ず収められてきたが(シングルB面用インスト曲『ステイト・ライン』、フル・アルバム用に録音され結局4曲入りEPだけが西ドイツ盤で発売された「ライヴ・イン・ジャパン」は94年盤のみ収録)、2002年盤の特色はリマスター音源を使った鮮やかな音質向上と、『ステイト・ライン』と「ライヴ・イン・ジャパン」EP全4曲に加えこれまで埋もれていたシングルB面用インスト曲『フォーリン・プレイス』(アルバムからのシングル・カット曲『クワイエット・ライフ』B面)を収録したことにあるだろう。ただし選曲は「果てしなき反抗」から2曲、「苦悩の旋律」から1曲、「クワイエット・ライフ」から4曲とアリオラ・ハンザ時代後期に偏向しており(再録音、ライヴ・ヴァージョンで補えるが、すでに後期の音楽性に改められている)アリオラ・ハンザ前期のJAPANはこれではわからない。前回のベストと同一の写真を使い回した安易なジャケット、93年のボックス「プロフェティーク」から流用した解説がひどいのが欠点だが、音楽自体は素晴らしいし、未収録曲・ヴァージョン集としてはこれがいい。
〈ベスト・オブ・JAPAN〉2002年
*1.果てしなき反抗(リ・レコーディッド・ヴァージョン)
2.アンコンヴェンショナル(奇しい絆)
3.コミュニスト・チャイナ
4.オートマティック・ガン
*5.ステイト・ライン
*6.ヨーロピアン・サン
*7.セカンド・ザット・エモーション
*8.ライフ・イン・トウキョウ
9.クワイエット・ライフ
10.フォール・イン・ラヴ・ウィズ・ミー
11.絶望
12.アザー・サイド・オブ・ライフ
*13.フォーリン・プレイス
*14.ディヴィエイション(若き反抗)(ライヴ)
*15.苦悩の旋律(同)
*16.イン・ヴォーグ(同)
*17.孤独な安らぎ(同)
(*オリジナル・アルバム未収録曲・ヴァージョン)