人生は野菜スープ~usamimi hawkrose diary

元雑誌フリーライター。勝手気儘に音楽、映画、現代詩、自炊などについて書いています。

ロックの御先祖様

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The Yardbirds - Jeff's Boogie : http://youtu.be/bNsZNPyn23Y
Recorded at Advision Studio, London, April-June,1966

 これは説明不要のジェフ・ベックの名演だが、収録アルバム『ロジャー・ジ・エンジニア』1966の日本盤CDの記載でも解説書でもヤードバーズのメンバー全員の共作ということになっている。すると案外この人の名盤は広く聴かれていないのではないか。

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Chuck Berry - Guitar Boogie : http://youtu.be/BZunmJPsneE
Recorded at Chess Studio, Chicago, between January 21 & December 30, 1957

 チャック・ベリーは1926年生まれ(10月18日)だからマイルス・デイヴィスジョン・コルトレーンと同年生まれ、ファッツ・ドミノ、リトル・リチャード、故ボ・ディドリー、ジェームス・ブラウンレイ・チャールズより年長になる。今年誕生日が来れば89歳なのだ。チャックより偉い人は一歳年長のB.B.キングしかいなくなった。キース・リチャーズ主催の60歳記念コンサートのライヴ・ドキュメント映画『ヘイル!ヘイル!ロックンロール』でリハーサルをさぼろうとするチャックにキースが「映画になるんだぞ、死んでも残るんだぞ」と叱られて、憤然と「おれが死ぬもんか!」と返す場面は忘れられない。そんなチャックのもう1枚の名盤に、こんな風変わりな曲がある。

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Chuck Berry - Hey Pedro : http://youtu.be/DczspH5lDwk
Recorded at Chess Studio, Chicago, between May 21,1955 & September 30, 1958

 これは遠藤賢司(1947~)の『外は雨だよ』の原曲ではないか。同曲は『1968京都フォーク・キャンプ』のライヴで歌われ、同8月にラジオ関西でスタジオ録音されたものがアルバム『宇宙防衛軍』1980の初CD化時のボーナス・トラックに収録されている。

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 翌69年の京都フォーク・キャンプでのライヴ・テイクは決定盤となり、『1969京都フォーク・キャンプ』を経て『遠藤賢司 黎明期LIVE! 1968-1971』1989に収録された。

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 だがこの曲のスタジオ録音は68年のラジオ関西出演しかなく、11年ぶりの新作フルアルバムで2枚組ライヴの『不滅の弟 遠藤賢司バンド大実況録音盤』1991に20分近い89年のエレクトリック・トリオ編成のハードロック・ヴァージョン(遠藤賢司いわくMC5、ブルー・チアーに回帰したヴァージョン)が収められている。

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 本当は『外は雨だよ』の実物が聴けるリンクが貼れればいいのだが、見つからなかった。仕方ないので同時期の代表曲を同時期のライヴ映像でご紹介する。この曲はファースト・アルバム『Niyago』1970でも冒頭の代表曲だが、遠藤賢司の演奏はライヴ・ヴァージョンの方が凄まじい。『1970フォークジャンボリー』でこの映像と同じテイクが聴けるが、『黎明期LIVE!』冒頭には69年のライヴ・テイクが
収められており、『外は雨だよ』や遠藤賢司版『The End』の『終わりの来る前に』などスタジオ録音未発表曲満載のこちらをお薦めする。

遠藤賢司 - 夜汽車のブルース : http://youtu.be/zcu1o3ynyIg
Recorded at 中津川フォークジャンボリー, August 1970