オール・ザ・シングス・ユー・アー(君はわがすべて)

この曲がプロ・アマ問わずジャズ演奏家にとって最重要なのは、モダン・ジャズ＝ビ・バップはこの曲を梃子にして発展したからだ。関係調の短調和声から始まり、奇数拍で四回転調して基本調の変則36小節で終わる、という難曲でもある。先陣を切ったのがこの盤。
[Dizzy Gillespie-All The Things You Are]'45.2.28
http://m.youtube.com/watch?v=ESjNt-V-zRI&gl=JP&client=mv-google&guid=ON&hl=ja

上記の盤でアルト・サックスを担当したチャーリー・パーカーが独立して吹きこんだ盤もある。原曲のコード進行からまったく別の曲を編み出す試みがここで結実した。
[Charlie Parker-Bird Of Paradise]'47.10.28
http://m.youtube.com/watch?v=3r4hs-yL6Zw&hl=ja&client=mv-google&gl=JP&guid=ON

50年代にはその手法はジャズ界に定着する。次も同様だが、原曲に着きすぎた趣がある。
[The Jazz Messengers-Prince Albert]'55.11.23
http://m.youtube.com/watch?v=yE2CPXT2bPE&gl=JP&client=mv-google&hl=ja&guid=ON

現代ではむしろ原曲の姿を保ったままソロ・ギターで演った好演もある。
[Joe Pass-All The Things You Are]'91
http://m.youtube.com/watch?v=Mn0lNQD2Bhg&guid=ON&gl=JP&client=mv-google&hl=ja

最後に凄いのを出す。これを「オール・ザ・シングス～」が原曲と当てられる人はほとんどいないのではないか。しかもパーカーと同時期ですらある。ギター、ベース、ピアノだけで織りなす抽象空間は比類ない。
[Lennie Tristano-Atonement]'47.9.23
http://m.youtube.com/watch?v=IQgTie4vUa4&guid=ON&hl=ja&gl=JP&client=mv-google