一日の食費\300を目安にするとどのような食生活になるか、掲載したのがこの夏の典型的な三食になる。基本的に三食自炊のお家でご飯だから可能だとも思う。食費の中には炊事分の水光熱費も(概算だが)計上しているのだ。こういうのに毛の生えた程度の食生活してたなあ、と思い当たるのは貧乏大学生時代で、どういう毛が生えていたかというとバイトは必ず大学から徒歩数分内で探していたから昼食は学食で食っていた。学食以外でも昼は大学が近い方がいい理由は、バイト先でお昼休みを持て余してバイト先の人と親しくしたりするのが苦手だったからだ。学食で食事を済ませると、お昼休みの戻り時間までは図書館や購買部の書店で本を読んでいた。部活動は一切しなかった。授業もさぼって映画や芝居を観に行き、大学は図書館と学食と購買部と、それと職安代わりの学生課、それだけ利用していた。
つまらない学生生活だったものだ。娘が二人いるが、こういうつまらない大学生にはなってほしくない。とは言っても、実はそれほど後悔していない。
毛の生えた程度のその他では、デートの時くらいはそこそこ張り切って外食していた。バブル景気の80年代の東京というのはもうなんでもありだった。大学生のバイト代さえ30年後の大卒初任給と大差ないくらい景気が良かった。だから貧乏大学生と言っても無駄づかい貧乏だったのだ。
つまり貧乏にも少なくとも三種類はある。一、働けど働けど貧乏。二、無駄づかいの貧乏。三、なまけ者の貧乏。あとミスター・オクレ(笑)ではないが「なぜか貧乏」というのもある。日本は八百万(やおろず)の神がおわすから、居酒屋チェーンの便所には相田みつをのカレンダーが便所神にましましているように、貧乏神という神様もおられる。
今はそういう無駄な毛もない純粋貧乏なので、朝はワカメをたっぷり加えたお茶漬け。乾燥ワカメ大さじ一杯で牛乳一本分のミネラル(脂質、蛋白、糖質なし)が摂れる。
昼は盛りそば。大根おろしと納豆をつけつゆに和え、刻みネギと刻み海苔を散らす。大根おろしと和えると納豆の粘りがさらさらに溶けるので食べやすい。
夜は野菜炒めと鶏肉のソテー、目玉焼き。一つのフライパンで同時に、しかも短時間でできる。
これにキムチや海苔の佃煮でもあれば、何の不満があろうか。いや、たまには揚げ物を食べたいと思ったりもするが。