人生は野菜スープ~usamimi hawkrose diary

元雑誌フリーライター。勝手気儘に音楽、映画、現代詩、自炊などについて書いています。

石けん爆値上がり!


 筆者は日用消耗品に特にこだわりはなく、食器用洗剤や浴用洗剤、洗濯洗剤やトイレットペーパーなども必要な時通いつけのドラッグストアで条件に合ういちばん安いものを買ってきて済ませる方です。子どもの頃から肌が弱いので、なるべく低刺激のもの、洗剤洗剤は溶け残りが起きやすい粉末タイプは避けて液状タイプで柔軟剤入り・すすぎ1回で済むもの、トイレットペーパーは二枚重ね、というくらいの条件はつけますが、まあ子ども二人も育てた経験もあればそこらへんは間違いなく選べるつもりです。洗濯洗剤や浴用石けんは一人目の子どもの時はわざわざ「無添加・赤ちゃん用」などを使ったり、また市販のベビーフードを買ってきたりしたものですが、二人目を育てる時には低刺激のものなら大丈夫、離乳食も要は大人食を作る途中で味つけ前のものを取り分けて、薄味で粥状にしたりすりおろしたりしたものならいいんだな、とほうれん草粥やしらす粥を与えて、そしたら姉娘の方よりも妹娘の方が好き嫌いのない子に育ちました。浴用石けんなども安いノンブランドの無添加石けんで大丈夫と、お婆ちゃんの知恵袋ならぬお爺ちゃんの知恵袋くらいの知識はつくものです。

 離婚後の一人暮らしでもそうした家事の要領は役に立つもので、浴用石けんは娘が赤ん坊だった頃から使っていたノンブランドの「植物石鹸」というのをいつも買っています。80gの4個入りパックがドラッグストアで98円、特売の時には88円というもので、有名ブランド品より1/3の価格です。家庭を持っていた頃には120gの大型のものを買っていましたが、一人暮らしだと浴室自体が狭いので120gの石けん置きは設置できないので、80gのものでいいやと迷わずそれにしていました。というか、以前は120g3個入りパックで売られていたものがいつの間にか80g4個入りの規格に変わったので、最近気づいてみたら1個75gに目減りしていました。これは食品でも2000年代以来顕著なので、価格据え置きのまま内容量が減るのは仕方がありません。ちなみに台所に置く手洗い用の石けんは、お風呂で使ってぺらっぺらにちびたものを使い古した食器洗いスポンジのネットにくるんで使っています。お爺ちゃんの知恵袋と述べた通りです。

 ところが!今日銀行に用があったので帰り道、ドラッグストアに立ち寄って、せっかくだから浴用石けんの買い置きでもしておこうといつもの石けん売り場を見ると、これまで98円で買っていたノンブランド品「植物石鹸」が148円!と1.5倍もの値段になっているではありませんか。箱入り、1個80gとパッケージもリニューアルし内容量も元に戻ったとはいえ、98円と148円では値上げ幅にもほどがあります。一気に有名メーカー品の1/3程度の値段だったのが1/2程度になってしまったのですが、それでもそれより安い石けんはないので買ってきました。帰宅してまだ未開封の旧買い置き品(箱入りでない方)と見較べてみると、同じ「植物石鹸」でも旧買い置き品は群馬県の第一石鹸株式会社、今日買ってきたのは富山県の日本薬剤株式会社と、まったく別の会社の製品とわかりました。同じバームヤシ植物油石けんでも第一石鹸の方は「日本製」、日本薬剤の方は箱の裏面に「原産国・マレーシア」とあります。第一石鹸の方は販売名「デュエット化粧石けんMb」、成分表示は「石ケン素地、水、グリセリン、塩化Na、EDTA-4Na、エチドロン酸4Na、香料、酸化チタン」、日本薬剤の方は販売名「植物性石鹸NY(化粧石けん)」、成分表示は「石けん素地(バーム油)、水、酸化チタン、EDTA-4Na、BHT、香料、ヒアルロン酸、海藻エキス」とあり、箱の裏に「3つの特徴/1 天然バームヤシ100%/2 ヒアルロン酸・海藻エキスのダブル保湿成分配合/3 キメ細かいクリーミーな泡立ち」と謳われています。もっとも第一石鹸の方もパッケージ表に「泡立ちマイルド/洗い心地しっとり/日本製」と謳われているので、「デュエット化粧石けんMb」を特に不満もなく使っていた身としては、「ヒアルロン酸・海藻エキスのダブル保湿成分配合」が「植物性石鹸NY(化粧石けん)」 の50円分の付加価値があるのか使ってみないとわかりません。

 もっとも昨夜夜食を食べながら見ていた「日本直販のテレビショッピング」の保湿サプリメントの解説によると、子どものもちもち肌に較べて中年女性の肌ではヒアルロン酸が1/5以下だそうなので、女性でそうなら男性ではもっとヒアルロン酸値は低いでしょう。筆者は以前に食欲不振解消のための向精神剤の副作用で女性ホルモン過多になり(医師が言うには「生理中の女性と同じ状態」)、肌はツヤツヤだわ髪の伸びは早いわ乳首は下着にすれるだけで痛いほど過敏になるわ甘いものが無性に食べたくなるわ、テレビで象の出産映像を観るだけで涙が出るわ私なんだかとっても悲しいわで、あれは面白い体験でした。そうした人体実験からも女性ホルモンとヒアルロン酸分泌は密接に関係あると思われるので、まあ4個入りパックで50円の値上がり(それでも浴用石けんでは一番の底値)、内容量20g増量ならヒアルロン酸分だけでも一応納得しようと思います。それにしても成分表示と並んで小さく正式販売名が「デュエット化粧石けんMb」「植物性石鹸NY(化粧石けん)」と商品名が記されていても、でかでかと「植物石鹸」というのはまぎらわしいですが、「植物石鹸」は一般名詞として商標登録の埒外なんですね。初めて知りました。それとともに、売り場から消えた第一石鹸版「植物石鹸」はどこへ行ってしまったのか、気になります。