人生は野菜スープ~usamimi hawkrose diary

元雑誌フリーライター。勝手気儘に音楽、映画、現代詩、自炊などについて書いています。

The Velvet Underground(1)

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バンドの名前長すぎてタイトル文字数に収まらない(笑)。でもタイトルの英文字表記や図版を見て禍々しい予感を持った人、正解です。昔々、1967年のデビュー以来今日に至るまで影響絶大、暗黒ロックの裏番長(表はハード・ロックヘヴィ・メタルがあるからね)であり続けるヴェルヴェット・アンダーグラウンド。しかし長いな。本国でもVUで通っているから以下それでいく。
VUが反商業主義、実験的前衛ロックの源泉として神格化され、ミュージシャンズ・ミュージシャンの座を不動としたのは、実際はかなり偶然の成り行きによる。曲の題材については始めから都会の退廃や内面の暗黒、狂気を歌う(麻薬、SM、同性愛、死など)ことでロックの歌詞のタブーに挑戦した。リーダー、ルー・リードの文学青年的資質が大きい。ビート・ジェネレーションの詩人・作家たちの反権力・反体制的な作風を大胆に歌詞に導入した。
皮肉なのは実際は彼らは作品に見あった評価と売上げを期待しており、なのにデビュー作(1967年)はアルバム・チャートにかろうじて171位という結果になったのは「アンディ・ウォホールの秘蔵バンド」としてレコード会社がまったくプロモーションしなかったからである。どこの雑誌にも広告もレコード評もインタビューも載らなかった。おまけに超資本主義セレブのポップ・アーティスト、アンディ・ウォホールのプロデュース(立ち会っただけ)とあって、なんだかよくわからないバンドと思われたのだ。ちなみにレーベルはヴァーヴ、ジャズの名門。前年からロック部門に乗りだし、エリック・バードン&アニマルズ、フランク・ザッパ&マザース・オブ・インヴェンションをボブ・ディランサイモン&ガーファンクルのプロデュース実績のあるボブ・ウィルソンによってヒットさせた。もちろん十分なプロモーション体制をとってだ。
それにもともとアニマルズは大物バンド、ザッパはヴァーヴでのデビュー前からロサンゼルスでカリスマ的な人気と評価があった。対してVUはと言えば、アンディ・ウォホール主催のパーティ・バンドとしてひたすらアンダーグラウンドな音楽活動にいそしんでいた。VUの契約がヴァーヴに取られたので別会社からピンク・フロイドがデビューしたというすごい話もある。フロイドはデビュー作でたちまち人気バンドになった。ひきかえVUは…(以下続)