今回も美麗やら悪趣味やらわからないLPジャケットをご覧にいれます。この3枚、たがいに何の関連もありません。
上から、
●Possessed'Exploration'1971(UK・日本未発売)
近年まで存在すら知られなかった女性ヴォーカル単発バンドの勢い任せの怪作(同名スラッシュ・メタル・バンドとは無関係)。サイケ、ハード、プログレともつかない邪悪アンダーグラウンドの極致。オブリもソロも徹頭徹尾轟音コードで押し通すギターがパンク!
●ヒューマン・ビースト「獣人(けものびと)」The Human Beast'Volume One'1970(UK)
ブラック・サバスがジミ・ヘンドリックスをリスペクトしたら外道(JP)になってしまった好例。そういやジミもアイオミさんもサウスポーですね。これはUKハード裏名盤の定番です。それほどでも…ちなみに'Volume Two'はありません。
●ノヴァリス「過ぎ去りし夏の幻影」Novalis'Sommerabend'1976(W.Ger)
旧西ドイツの遅れてきたプログレ・バンドのサード・アルバムで最高傑作。もっともこのバンドは75点で満点みたいな格ですが、LP1枚全3曲、上手いプレイヤーもいない、ユーロ・ロックにしては珍しく英語ではなく母国語で歌っている。でもうまくない。ではどこがいいか?素朴でメロディアス、飽きさせない構成力。もう20年来ですけど、今でも年に十数回は聴いています。
さて、あえて共通項を挙げれば何か?
「趣味だ」
とこうして並べるとつくづく思います。私はたまたま高校時代から30年あまり無節操に聴いてきただけです。趣味ですから。それなりに知識はつきましたが、知識は思想ではありません。
それがいちばん極端だったのは、仕事ついでに新宿の中古レコード店をまわり、古くて知らないLPなら予算内で買う、というやり方で増やしていた頃でした。まあ10枚に1枚当りがあればいいか。
私が社会人になったのはちょうどLPからCDへの切り替えの時期で、中古LPが廉価で大量に出回り始めていました。知らないレコードというだけで嬉しかった。今は病気でまったく無理ですが。
先日YouTubeで偶然発見したのがポゼスドです。さっそく通販購入し、この3枚を並べてニヤリ。長続きする趣味があるのは有り難いことです。