人生は野菜スープ~usamimi hawkrose diary

元雑誌フリーライター。勝手気儘に音楽、映画、現代詩、自炊などについて書いています。

(18)70年代ロックを導いたGS( 後)

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続き。前回は「この3組のバンドからの選抜メンバーがフラワー・トラヴェリン・バンド(正確にはタックスマンのメンバーも入るから4組)」まで。内田祐也(まだ30代初め)は当時、私財を投じて若手バンドのパトロンになり、頭脳警察を筆頭に楽器や機材を買ってもらったバンドも多い。ロック・フェス(現在でも続いている)の主催など、この人はロックの市民権と向上のためならなりふり構わずやった。慕われるわけだ。

さて、前回とまったく同じ掲載アルバムは、
○フォー・ナイン・エース「レッツ・ゴー童謡」1967.12(画像1)
○「ビバ!ビーバーズ!」1968.6(画像2)
○内田祐也とフラワーズ「チャレンジ!」1969.7(画像3)
○オムニバス「ロックン・ロール・ジャム'70」1970.4(画像4・原盤2LP)
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で、1~3のCDにはシングルが追加されている。

「ロックン・ロール・ジャム'70」はFTBに編制替えする直前のフラワーズのライヴが聴ける。同じ洋楽カヴァーでも「チャレンジ!」より出来がよく、ジャニス・ジョプリン役の麻生レミのなりきりぶり、石間秀樹のギター、ツェッペリンを歌うジョー山中などサイケ/ブルース/ハード・ロックが渾然とした演奏が聴ける。フラワーズは変なバンドでシングルは歌謡曲、麻生レミの歌も歌謡曲で、やはり無理があったのか。

フォー・ナイン・エース(491)はたしかフリー・セックス風潮を描いた当時の北欧映画の話題作で、筆者は当時幼稚園児だから中学生くらいになって知った。これがテレビ放映はもちろん自主上映でもかからない映画で未だ未見なのだが、では日本のバンドの音は?
シングル『ウォーキン・イン・ザ・バルコニー』には覚えがあったので驚いた。アルバムは洋楽カヴァーの「ヒット・ア・ゴーゴー」67.8と「レッツ・ゴー童謡」の2枚のエレキ・インストで、もろ寺内系。シングルでも最大の逸材ジョー山中が1曲しか歌っていないとはなんたることか。

ザ・ビーバーズは当初ヴォーカル4人、バンド4人というロカビリー編制だったがやがてヴォーカル2人の6人編制になり、実力を認められスパイダーズの事務所に所属。成田賢のヴォーカルと石間秀樹の最先端のギターが魅力だったが、実力相応の成功は得られず短命に終った。スパイダーズから名曲を提供され、難易度最高のカヴァーも余裕でこなした。これは名作です。