人生は野菜スープ~usamimi hawkrose diary

元雑誌フリーライター。勝手気儘に音楽、映画、現代詩、自炊などについて書いています。

(39a)キャノンボール・アダレイ

イメージ 1

イメージ 2

イメージ 3

イメージ 4

Julian Cannonball Adderley(1928-1975,alto sax)。この連載は「決定盤モダン・ジャズ名盤500」1993(音楽之友社)の「モダン・ジャズの巨人25」に基づいて前回までに90回に(!)及んだのだが、まだまだ大物ジャズマンがいて、大物すぎて後回しになってしまった次第なのだ。まずモダン・ジャズ・カルテット(ミルト・ジャクソンの個別活動含む)、デイヴ・ブルーベック・カルテット(ポール・デズモンドの個別活動含む)、白人プレイヤーではシェリー・マン(ドラムス)、ジミー・ジェフリー(テナー、クラリネット)、ジム・ホール(ギター)。ここまでは外せないだろう。コルトレーンの愛弟子アーチー・シェップ(テナー)を持って最後のモダン・ジャズマンとしてもいい。
だが真っ先に「巨人25」に追加すべき人がいた。それがジュリアン'キャノンボール'・アダレイで、本国では当然そうなるだろう。溢れるようなアドリブ、艶やかな音色、チャーリー・パーカー以降世界一のアルト・サックス奏者。

ところが日本ではジャッキー・マクリーンに圧倒的な人気があり、アダレイは一流と認知されてはいるが、何となく縁遠いジャズマンという感じがある。
アダレイのデビューは伝説的で、55年3月のチャーリー・パーカーの急死直後に郷里フロリダの学校教員を辞してN.Y.にやって来た。O・ぺティフォード(ベース)とケニー・クラーク(ドラムス)のライヴでテナーのJ・リチャードソンが遅刻、そこで飛び入り出演して一躍プロへの道が開けた。クラーク「ボヘミア・アフター・ダーク」Bohemia After Dark,55.6(画像1,4)はその再現セッションで、タイトル曲が良い。次の「プレゼンティング・キャノンボール・アダレイ」55.7(画像2)は早くもリーダー作で、代表的オリジナル'Spontaneous Combustion'もこれが初演。ちなみにこの2枚のサヴォイというレーベルの適当さは124のジャケットを見比べてもわかる。

アダレイは大手マーキュリー傘下のエマーシーに新人スターとして迎えられ、55年7,8月には早くもメジャー・デビュー作を録音。第5作「ソフィスティケイテッド・スウィング」57.2(画像3)はすっかり硬さのとれた初期代表作だろう。ジャケット通り爽やかな、明るいジャズが聴ける。