人生は野菜スープ~usamimi hawkrose diary

元雑誌フリーライター。勝手気儘に音楽、映画、現代詩、自炊などについて書いています。

(補11e)ラリー・ヤング(org)

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Larry Young(1940-1978,organ)。
ブルーノート社はソウル系オルガン・ジャズには力を入れていたが、ヤングの処遇はもて余していたように見える。ヤングは一般的に求められているオルガン・ジャズではなく、サイドマン起用ならもっと正統的なオルガン奏者が同社には山ほどいた。ただし独創性と実力は買っていたから、年一作のリーダー作の制作は続いた。
「ユニティ」を最後に一流メンバーの起用はなくなった。ただ、テナーサックスのハーバート・モーガン、ドラムスのエディ・グラッデンは無名ながらヤングの音楽性を理解しており、レギュラー・メンバーとしてブルーノート後期のヤング作品に貢献する。

ブルーノート第5作、
Heaven On Earth(画像1)68.2.9
-はブルーノート時代唯一のヤングのジャズ・ロック作品とされるがそれは一部の曲だけで、全体的には前作までの延長にある。全6曲中ヤングの自作5曲とアリシア夫人が歌う'My Funny Valentine'がラストに来る構成も前作を踏襲している。ゲストにフリー系の伝説的サックス奏者バイヤード・ランカスターを迎え、ジョージ・ベンソンが流麗なギターで参加している。フリーな曲とポップな曲の落差は第3作以降次第に開いてきた。

ブルーノートへの最終作、
Mother Ship(画像2)69.2.7
-は編成も「ユニティ」と同じカルテットで、全5曲ヤング自作の妥協のない作品だった。問題は大物ゲストのリー・モーガン(トランペット)の参加で、元々好不調の激しい人だが、モーガンのファンでもこのアルバムは絶不調セッションと定評がある。傑作になり得た作品だがブルーノート社はこれを没にし、発表されたのはヤング没後の80年になった。

フリーランスになったヤングはジミ・ヘンドリックスに招かれ、アルバム片面分22分のジャム・セッションを行う。
Jimi Hendrix:West Coast Seattle Boy(画像4)69.4.4
-でこれまで10分半の短縮版しか公開されなかった'Young/Hendrix'の全長版が聴ける。

マイルス・クインテットを脱退したドラムスの、
The Tony Williams Lifetime:Emergency!(画像3)69.5.26-28
-は次回で触れる。