人生は野菜スープ~usamimi hawkrose diary

元雑誌フリーライター。勝手気儘に音楽、映画、現代詩、自炊などについて書いています。

(補13g)ジョー・ヘンダーソン(ts)

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Joe Henderson(1937-2001,tenor sax)。
前回取り上げたアルバムの時期、「バスラ」の前にヘンダーソンは、
Freddie Hubbard:Blue Spirits(65.2.19/2曲のみ)
Lee Morgan:The Rumproller(65.8.9)
-に参加している。前者は新主流派路線の佳作だがヘンダーソンの参加曲が少なく、後者もご機嫌だが、大ヒット作「ザ・サイドワインダー」の路線を踏襲した作品だった。
「バスラ」と「ユニティ」の間には、
Horace Silver:The Cape Verdean Blues(65.10.1)
-に参加があり、ウディ・ショウが共に翌月のヤング作品に招聘されたのは、この作の出来栄えがあってこそ、だったろう。前作は新旧メンバーの過渡期の作品だったが、新メンバーで統一されたこのアルバムはシルヴァーの会心作で、新世代のメンバーたちとも優れた作品を創れる例証となった一枚だった。

第5リーダー作「モード・フォー・ジョー」に続き、
Lee Morgan:Delightfulee(画像1)66.3.27
Bobby Hutcherson:Stick-Up!(画像2)66.7.14
Duke Pearson:Sweet Honey Bee(画像3)66.12.7
-が制作される。どれもブルーノートの名作と名高いが、趣きはかなり異なる。ピアソン作品は「ワフー」の続編といえる3管クインテットで、いかにもブルーノートらしいハードバップを、若手メンバーの起用によって更新したもの。
「スティック・アップ!」は参加メンバーに音楽的主導権を譲ることが多かったハッチャーソンが本気を見せた傑作で、ワンホーン+ヴィブラフォン+ピアノトリオなのだが、ヴァイブを前面に出しているからか、ワンホーンでもヘンダーソンの比重は軽い。

問題作は人気盤「ディライトフリー」で、ヘンダーソンとマッコイを含むクインテットの4曲は文句なしにかっこいい。賛否両論なのがオリヴァー・ネルソン編曲の10人編成の2曲'Sunrise Sunset'と'Yesterday'なのだ。これは確かに好みを分ける演奏だろう。