人生は野菜スープ~usamimi hawkrose diary

元雑誌フリーライター。勝手気儘に音楽、映画、現代詩、自炊などについて書いています。

(補14a)フレディ・レッド(p)

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Freddie Redd(1928-,piano)。
さて、この「モダン・ジャズの巨人」シリーズは今回で263回目になるが、途中から明らかに「巨人」ではないだろう、という人も入り始めた。ブッカー・アーヴィンやホレス・パーランがそれに当たる。また、明らかに巨人だがやってることがでかすぎたり日本人好みではなく、詳しく取り上げられることの少ないスタン・ケントン、デイヴ・ブルーベックジミー・スミスらは業績に見合うだけの解説をしてきた。追補編では更に細かくなり、セロニアス・モンクはともかく、レニー・トリスターノの全録音紹介など商業媒体では日本語文献は他にないだろう。アンドリュー・ヒルについても同じで、ジャズマンのディスコグラフィーはその人が存在した証といってよい。

フレディ・レッドはこれまで取り上げたジャズマンでも最もアンダーレイテッドな存在で、60年に近い活動歴で10枚ほどのアルバムしか持たない。デビュー作はプレスティッジ社からの'Introducing The Freddie Redd Trio'55(10インチLP,未CD化)で、同年アート・ファーマー&ジジ・グライス'When Farmer Met Gryce'をホレス・シルヴァーと半数ずつ担当しているのが唯一のサイドマン参加作になった。

バド・パウエル派ピアニストとしてのレッドの原点はスウェーデン録音の、
Freddie Redd In Sweden(画像1)56
-で確認できる。全18曲中スタンダード6曲と、早くもオリジナル指向が窺え、トミー・フラナガンの同地録音「オーヴァーシーズ」57にも似ている。

ハンプトン・ホーズとの合同アルバム'Piano East Piano West'56(63年'Movin''として再発)を挟み、
San Francisco Suite For Jazz Trio(画像2)57.10.23
-はインディーズの良心、リヴァーサイドから発表された。名前のスペルがFreddyになっている。全7曲にスタンダード'Ol' Man River'や'This Is New'を挟んだ、組曲構成の佳作になった。

レッドの真価はブルーノート専属第1作、
The Music From 'The Connection'(画像3)60.2.15
で決定的になった。このアルバムの解説は次回に譲ろう。