Ornette Coleman(1930-,alto sax,trumpet,violin)。
まず前回掲載の未説明作品から。「ボディ・メタ」は「ダンシング~」と同日同メンバー録音の姉妹編で全5曲、『ヨーロピアン・エコーズ』の再演も演っている。チャーリー・ヘイデンの二作は共に四人のジャズマンとのデュオを収めたもので、二作とも参加しているのはオーネットのみ。どちらも高い評価を得たアルバムだが、やはりオーネットとのデュオがずば抜けている。
そこで次作は、
Ornette Coleman,Charlie Haden:Soapsuds,Soapsuds(画像1)77.1.30
-で全編デュオのアルバムを作った。オーネットはこの作品ではテナーとトランペットに専念している。冒頭の'Mary Hartman,Mary Hartman'のみが非オリジナルでTVドラマの主題歌みたいな曲だが、そこがいい。ベースと管楽器だけのデュオではこれ以上の作品はないだろう。
次にオーネットは初期プライム・タイムのギタリストだった、
James Blood Ulmer:Tales Of Captain Black(画像2)778
-にプロデュースとアルトで参加する。ウルマーは80年にイギリスの尖鋭レーベル、ラフ・トレードから発表した'Are You Glad To Be In America?'で一躍時の人になるが、オーネットのハーモディロックス理論には一貫して忠実だった。
次のオーネット&プライムタイムのアルバムは、
Of Human Feelings(画像3)79.4.25
-で、大手ヴァーヴ傘下のアンティルズより。これもオーネットのために設立されたレーベルで、70年代後半からのオーネットはアルバム発表に過度に慎重になる。全8曲とLP時代のアルバムとしては曲が多く、プライム・タイムの最高傑作と評する人もいるがポップで平坦にも感じられる。
ついでに紹介したいのは、チェリー、レッドマン、ヘイデン、ブラックウェルの旧オーネット組による、
Old And New Dreams(画像4)79.8
-で、オーソドックスな方向でオーネットの音楽を発展させた力作となった。プライム・タイムよりこっちがいい、という人も多いのではないか。