人生は野菜スープ~usamimi hawkrose diary

元雑誌フリーライター。勝手気儘に音楽、映画、現代詩、自炊などについて書いています。

オールタイムベストアルバム500(41~60位)

さて、ローリング・ストーン誌のオールタイムベストアルバム500は、順を追うごとになんでもあり状態を増してきた。ベスト・アルバムやコンプリート・ボックスという禁じ手ありでは事実上アルバム単位の評価を逸脱するも同然だが、アメリカ本国ではシングル盤アーティストとアルバム・アーティストが画然と分かれる、という事情もあり、編集盤がそのアーティストの代表作になることもしばしばある。そうした事情も考慮しながら41~60位を見てみよう。

41.勝手にしやがれ!!
42.ハートに火をつけて
43.狂気
44.ホーセズ(パティ・スミス)
45.ザ・バンド
46.レジェンド(ボブ・マーレィ)
47.至上の愛(ジョン・コルトレーン)
48.パブリック・エネミー2(イット・テイクス・ア・ネーション・オブ・ミリオンズ・トゥ・ホールド・アス・バック)
49.オールマン・ブラザーズ・バンド・アット・フィルモア・イースト
50.ヒアズ・リトル・リチャード
51.明日に架ける橋
52.アル・グリーン・グレイテスト・ヒッツ
53.ザ・バース・オブ・ソウル(レイ・チャールズ)
54.エレクトリック・レディランド
55.エルヴィス・プレスリー
56.キー・オブ・ライフ(スティーヴィー・ワンダー)
57.ベガーズ・バンケット
58.トラウト・マスク・レプリカ
59.ミート・ザ・ビートルズ
60.スライ&ザ・ファミリー・ストーン・グレイテスト・ヒッツ

いきなりセックス・ピストルズとザ・ドアーズとピンク・フロイドの三連発から来たが俄然として黒人音楽の比率が増してきた。だがボブ・マーレィをベスト盤で、レイ・チャールズをアトランティック時代のコンプリート・ボックスでとは乱暴すぎないか(アル・グリーンとスライはベスト盤の名作と定評があるが)。マイルスに次ぐジャズ・アイコンがコルトレーンなのは異論がないが、真の影響力ならばビリー・ホリデイを挙げるべきではないか。
また、40位でラヴ、42位でザ・ドアーズが上がっているがロサンゼルスのバンドではまだザ・バーズバッファロー・スプリングフィールドも挙がっていない。サンフランシスコのバンド(デッド、エアプレイン、クイックシルヴァー)もまだ挙がらない。パティ・スミスの過大評価は批評家投票ならばこそだろう。