前回でローリング・ストーン誌のオールタイムベストアルバム500もベスト100までをご紹介した。この連載では分量面から20位ごとに区切って掲載しているが、偶然とはいえ見事に支離滅裂な回もあればいかにもロックの正道でまとまる回もあり、81位~100位などは計算したかのようにロックに収束するアメリカ大衆音楽(むしろ商業音楽と言うべきか)のサンプルを並べたかのようだった。ただしそこに真の音楽的感動があるかというと、人にもよりけりだろうが、ひとりのリスナーの感受性に触れるのは、ベスト100の中では15枚~30枚がせいぜいではなかろうか。
さて、ビートルズで始まりシナトラで終ったベスト100に続いて、101位から20作をご紹介する。
101.フレッシュ・クリーム
102.ジャイアント・ステップス(ジョン・コルトレーン)
103.スウィート・ベイビー・ジェイムス(ジェイムス・テイラー)
104.モダン・サウンズ・イン・カントリー&ウェスタン・ミュージック(レイ・チャールズ)
105.ロケット・トゥ・ロシア(ラモーンズ)
106.ポートレイト・オブ・ア・レジェンド1951-1964(サム・クック)
107.ハンキー・ドリー(デヴィッド・ボウイ)
108.アフターマス
109.ローデッド(ヴェルヴェット・アンダーグラウンド)
110.ザ・ベンズ(レディオヘッド)
111.コート・アンド・スパーク(ジョニ・ミッチェル)
112.カラフル・クリーム
113.セル・アウト(ザ・フー)
114.アウト・オブ・アワ・ヘッズ
115.いとしのレイラ(デレク&ザ・ドミノス)
116.アット・ラスト(エタ・ジェイムズ)
117.ロデオの恋人(ザ・バーズ)
118.スタンド!(スライ&ザ・ファミリー・ストーン)
119.ザ・ハーダー・ゼイ・カム(サウンドトラック/ジミー・クリフ他)
120.レイジング・ヘル(RUN DMC)
選盤に異論はないが、なんだか不思議な順位になっている。クリームの第一作はブルースを下地にしたパワートリオ・スタイルの発明で画期的作品だが、クラプトンのベスト・ワークなら「レイラ」だろう。
また、ザ・バーズも「ロデオ」は例外的作品で、それゆえ獲票率が高かった。それはビーチ・ボーイズ「ペット・サウンズ」にも言えるかもしれない。