人生は野菜スープ~usamimi hawkrose diary

元雑誌フリーライター。勝手気儘に音楽、映画、現代詩、自炊などについて書いています。

オールタイムベストアルバム500(81~100位)

ついに今回でローリング・ストーン誌のオールタイムベストアルバム500もベスト100までが揃う。区切りのいい数だからこれまでの80作を補完するような20作を期待されるが、実際の結果は、その期待に応えてくれるだろうか。では81位~100位をご紹介する。

81.グレイスランド
82.アクシス:ボールド・アズ・ラヴ
83.貴方だけを愛して(アレサ・フランクリン)
84.レディ・ソウル(同)
85.ボーン・イン・ザ・U.S.A.
86.レット・イット・ビー
87.ザ・ウォール
88.アット・フォルサム・プリズン(ジョニー・キャッシュ)
89.ダスティ・イン・メンフィス(ダスティ・スプリングフィールド)
90.トーキング・ブック(スティーヴィー・ワンダー)
91.黄昏のレンガ路
92.20ゴールデン・グレイツ(バディ・ホリー)
93.サイン・オー・ザ・タイムス
94.ビッチズ・ブリュー(マイルス・デイヴィス)
95.グリーン・リヴァー
96.トミー
97.フリーホイーリン・ボブ・ディラン
98.ジス・イヤーズ・モデル
99.暴動(スライ&ザ・ファミリー・ストーン)
100.イン・ザ・ウィー・スモール・アワーズ(フランク・シナトラ)

ポール・サイモン、ジミ、アレサ、ボス、ビートルズにフロイドと続きジョニー・キャッシュの伝説的な刑務所慰問ライヴとダスティ・スプリングフィールドのスワンプ・ロック名盤を通り、スティーヴィーとエルトン・ジョン各々畢生の名作とプリンス、マイルス、CCRザ・フー、ディランにコステロときてスライの最高傑作からフランク・シナトラのバラード・アルバムが100位。シナトラの入選は必然だが、この渋いコンセプト・アルバムで来たか。
影響力ならジャズ・ヴォーカルでは(ヴォーカルと限らず、ジャズからなら)ビリー・ホリデイ(コモドア盤「奇妙な果実」で決まりだろう)とシナトラが男女歌手の双璧で、この二人のジャズ・シンガーのレパートリーからモダン・ジャズが生れ、黒人ブルースの白人カントリー解釈によるロカビリー(エルヴィスらもデビュー当時はカントリーの新人として扱われた)がモダン・ジャズのスタイリッシュな影響でビートルズ以降のロックが成立した。そう考えると、日本ではピンとこないが、これはこれで筋の通った選出だろう。