今回はヴァーヴ移籍から没年までの八年間のアルバム・リストになる。前回の末尾で触れたように、1950年までのビリーは当時の慣習に沿って、基本的にはシングル盤(SPレコード)のアーティストだった。二年間のブランクを置いてヴァーヴ社と契約した時は、レコードの発売形態はLPによるアルバム盤とヒット曲用のシングル盤に移行していた。ジャズのアーティストはLP盤の需要が多く、以後はビリーの録音もアルバム単位で行われることになる。ただし12インチ(30cm)のアルバムに移行するのは55年からであり、それまでは10インチ(25cm)がアルバムの標準、という過渡期があり、枚数の数え方に違いが出てくる。それは注記し、録音年月と発売年を判明する限り記載してリストにした。注記以外のアルバムはヴァーヴからになる。
(10インチ・アルバム)
1.ビリー・ホリデイ・アット・JATP(46.4/発売52)
2.ビリー・ホリデイ・シングス(52.3,4/52)
3.アン・イヴニング・ウィズ・ビリー・ホリデイ(52.3,4/53)
4.レディ・ラヴ(UA,54.1/54)
5.ビリー・ホリデイ(52.3,4/54)
(12インチ・アルバム)
6.ソリチュード(2,3より選曲/55)
7.リサイタル・バイ・ビリー・ホリデイ(3,5より選曲/55)
8.ジャズ・リサイタル(1の増補盤/56)
9.レディ・シングス・ザ・ブルース(54-56/56)
10.ステイ・ウィズ・ミー(55.2/58)
11.ミュージック・フォー・トーチング(54.5/55)
12.ヴェルヴェット・ムード(55.8/56)
13.オール・オア・ナッシング・アット・オール(56.8/58)
14.カーネギー・ホール・コンサート~ジ・エッセンシャル・ビリー・ホリデイ(57.7/58)
15.アラバマに星落ちて~ソングス・フォー・ディスティング・ラヴァーズ(57.1/57)
16.ボディ・アンド・ソウル(57.1/57)
17.エラ・フィッツジェラルド&ビリー・ホリデイ・アット・ニューポート(57.7/58)
18.レディ・イン・サテン(Columbia,58.2/58)
19.ラスト・レコーディング(MGM,59.3/59)
(続く)