人生は野菜スープ~usamimi hawkrose diary

元雑誌フリーライター。勝手気儘に音楽、映画、現代詩、自炊などについて書いています。

この冬、いちばん安価な根菜。

イメージ 1

 冬に安くなるのは白菜、長ネギと大根で、ふだんキャベツを使っている料理はどれも白菜で代用する。長ネギは薬味に煮物に焼き物にと、とにかく年中使うから、夏場の1/3程度の価格になる冬場はありがたい。
 だがなんといってもヴォリュームのある惣菜になるのは大根で、大根おろしによし、おでんの具によしなのは当然だが、大根だけをしょうゆ、調味だし、砂糖少々、みりんで煮込むとホクホクの煮物になる。おろししょうががあればなお良かったが、そぼろ煮のようにぜったいなければならないわけでもない。
 土鍋に輪切りで4分割にして並べた大根を汁にひたし、電子レンジに5分かけ、少し冷めて味が均等に染みた頃に加減を見て3~4分追加加熱する。ガスコンロの直火加熱の場合は20分はかかるし、どうしても加熱ムラが出てくるから途中で鍋の中を並べ替えなければならない。それにうちはガスコンロはカセットコンロ1口しかない。燃料費はそう高くないが、ボンベ1本で3時間弱しか保たないのだ。
*
 それで、この冬は例年より大根が安い。もちろん白菜だって長ネギだって冬はこうでなくっちゃ価格なのだが、たまたま神奈川県ではそうなのかもしれないが1本50円だったりするのだ。そうなると買う時は2本ずつまとめて買っている。大根は味噌汁の具にもなるし、細切りにすればサラダにもいけるし、大根おろしにすればそのままでも納豆、湯豆腐の薬味、そばの薬味にもなり、いちょう切りで薄く煮つけでおけばけんちん汁の具になる。もっとあるだろう。やたらと使い回しがきく重宝な野菜なのだ。冬場なのも幸い、日持ちもするし。
 画像の大根の煮物は土鍋一杯だが、50円の大根の1/3でこの量になる。味噌汁をつければ一合飯くらいは土鍋の煮物半分で食べられる(土鍋の1/3でもいいくらいだ)から、食材費としては1食分8円強、調理コストを含めても1食分10円といったところだろう。
 大根の良いところは、他の根菜類の野菜と違って炭水化物に偏らず、味というよりは酸味の効いた風味に特色があり、さっぱりして飽きないことだ。味つけもごく薄味にするだけで風味が引き立つから、低カロリー・低糖分・低塩分、高繊維・高ミネラルと、まあ蛋白質はほとんどないが、それは他のもので摂る。たとえば玉子とかサバの味噌煮缶詰とか。すぐ思いつくのが玉子とサバ缶というのも何だが。

イメージ 2

 ちなみに昨日も黒澤明の映画を『椿三十郎』1962、『天国と地獄』1963の2本観た。それぞれ21作目、22作目に当たる。今日はこれから『赤ひげ』1965を観るが、以前観た記憶なら男も女もやたらと怒号し号泣する黒澤映画はここまでで、以降5年に1作ペースの『どですかでん』1970、『デルス・ウザーラ』1975、『影武者』1980、『乱』1985、『夢』1990や、晩年の『八月の狂詩曲』1991、『まあだだよ』1993の作品群は今観ても楽しめるかどうか。古典的評価が定まっているのは『赤ひげ』、せいぜい『どですかでん』までになる。『デルス・ウザーラ』以降はなまじ公開時の世評に触れているだけに期待値はぐんと低い。観直して面白かったらかえって得した気分になるかもしれないが、どうだろうか。