Recorded live at Boston Tea Party, December 12 (1st Set), 1968
Unofficially Released by Keyhole Records (2CD, Remasterd) KH2CD9013, 2014
All Songs written by Lou Reed expect noted.
(Disc 1)
1-1. Heroin - 9:12
1-2. I'm Gonna Move Right In - 5:42
1-3. I'm Waiting For The Man - 7:18
1-4. I'm Set Free - 5:02
1-5. Foggy Notion - 8:17
1-6. Beginning To See The Light - 6:17
1-7. Candy Says - 4:44
(Disc 2)
2-1. White Light / White Heat - 5:18
2-2. Jesus - 4:50
2-3. Sister Ray (Velvet Underground) - 26:17
2-4. Pale Blue Eyes - 6:09
[ The Velvet Underground ]
Lou Reed - vocal, lead guitar, ostrich guitar
Sterling Morrison - rhythm guitar, lead guitar, bass guitar, vocal
Doug Yule - bass guitar, organ, vocal
Maureen Tucker - drums, percussion
ヴェルヴェット・アンダーグラウンドのボストン・ティー・パーティーでのライヴ盤は1968年12月12日、1969年1月10日、3月13日、7月5日の4種の観客録音が知られています。これらは曲単位でバラバラに組み合わされて多数の海賊盤でリリースされてきましたが、近年ようやくKeyhole(1968年12月12日、1969年3月13日)、Spyglass(1969年1月10日、7月5日)らハーフ・オフィシャル・レーベルから各日2枚組CDの1コンサート・フル収録にまとめられて輸入盤店、輸入盤通販店(タワーレコード、アマゾンなど)で手軽に買えるようになりました。これらは海賊盤時代からの人気音源で、特に3月13日のライヴ音源は『Guitar Amp Tapes』として有名なものです。ハーフ・オフィシャル盤では海賊盤の編集盤時代より良いマスターテープが使用され、デジタル・リマスターされて見違えるような音質の向上が見られます。こうした良質な発掘音源の登場はたいがい公式なオリジナル・アルバムの版権を持つレコード会社の発掘企画に伴うもので、ヴェルヴェットの場合はポリドール・レコードが1995年の5枚組全集ボックス『Peel Slowly and See』を発売した時にボーナス収録された発掘音源の未収録分が海賊盤業者に流れて次々と入ったの編集盤がリリースされました。これを第1次とすると第2次は2012年の『The Velvet Underground & Nico 45th Anniversary』に始まり『White Light/White Heat 45th Anniversary』2013、『The Velvet Underground 45th Anniversary』2014、『Loaded 45th Anniversary』2015で完結したオリジナル・アルバム全4作の45周年記念ボックス・セット・シリーズのリリースで、たかだか1枚のオリジナル・アルバムごとに3枚組~6枚組CDに及ぶ未発表音源、発掘ライヴを収録したこのシリーズに伴いまたもや発掘音源の流出が起こり、ボストンのライヴ音源を始めとする優良音源がインディー・レーベルから続々と発売される事態になりました。
しかも今回は最良のマスターテープからのデジタル・リマスター、ライヴごとの完全収録と決定版と言えるものになっており、先に発売されていた『The Quine Tapes』2001(3CD)、『Complete Live at Max's Kansas City』2004(2CD)、「45th Anniversary」での部分収録の好評から完全版が発売された『The Complete Matrix Tapes』2015(4CD)よりは元々のマスターテープの質が劣るのでメジャー・レーベルからの発売は無理としてもインディー・レーベルからの廉価盤CDならお釣りがくる垂涎の内容になっており、Keyholeから早く発売された『La Cave 1968 (Problems In Urban Living)』2012などは好評を受けて日本国内のインディー・レーベルからもリリースされました。日本盤は完売後プレミア盤になっており、インディーからの発掘盤は原盤権がかからないので廉価盤発売が可能である一方、初回盤が完売すると再発盤の需要がほとんど望めないため品切れ・追加プレス未定になってしまうので注意が必要です。ちなみにKeyhole盤の本作はジャケットに実際にボストン・ティー・パーティーでの12月12日~14日公演のチラシに使われたイラストと書き文字を使用していることでも良心的なものです。
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(Unofficial "Live at Boston Tea Party (Dec.12, 1968)" CD Liner Cover)
特殊楽器の変則使用を得意としたジョン・ケイル在籍時のデビュー作、第2作からの曲は大きくアレンジを変えており、ユールがオルガンにまわる曲ではモリソンがベースを弾いています。また1-7「Candy Says」はスタジオ盤のユールのヴォーカルではなくリードのヴォーカルで聴くことができ、ユールのソフトなコーラスはケイル時代のヴェルヴェットにはなかった要素です。また観客録音の本作はとんでもないドラムスのサウンドを聴くことができ、このラウドなサウンドは当時のスタジオ録音の常識では考えられないもので、ヴェルヴェットはスタジオ録音でも限界に挑戦したバンドでしたがここまでのドラム・サウンドはさすがのヴェルヴェットでもスタジオ盤では出せなかったものです。『Guitar Amp Tapes』はギターの爆音ノイズ演奏で名高いものですが、本作もその点では十分です。むしろドラムスの爆発的な演奏では本作に軍配が上がるのではないでしょうか。