人生は野菜スープ~usamimi hawkrose diary

元雑誌フリーライター。勝手気儘に音楽、映画、現代詩、自炊などについて書いています。

SPK - Live At The Crypt (Sterile Records, 1981) / The Last Attempt at Paradise (Fresh Sounds, 1982)

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SPK - Live At The Crypt (Sterile Records, 1981) Full Album (Casette Tape Release) : https://youtu.be/TdXJIIuLlSA
Recorded live at The Crypt, Paddington, London 25th April 1981.
Released by Sterile Records ‎SRC4, Cassette, Single Sided, C90, 1981
(Tracklist)
A1. Berufsverbot - 6:44
A2. Emanation Machine R. Gie 1916 1- 3:26
A3. Stammheim Torturkammer - 4:56
A4. Ground Zero : Infinity Dose - 2:23
A5. Serenace - 6:00
A6. "John" - 4:53
A7. Victim - 7:53
[ SPK ]
Operator - synthesizers, tapes, rhythms, vokals, metal
Tone Generator - synthesizers, visuals
Wilkins - guitar, bass

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SPK - The Last Attempt at Paradise (Fresh Sounds, 1982) Full Album (Casette Tape Release) : https://youtu.be/59jIcZHhsuM
Recorded live at Off The Wall Hall, Lawrence, KS, April 28 1982.
Released by Fresh Sounds Inc ‎TAPE 103, Cassette, C60, White, Dolby, 1982
(Tracklist)
Side A: 29:26
- Maladia Europa (The European Sickness)
- Suture Obsession
- Berufsverbot
- Metall Field
- A Heart That Breaks (In No Time Or Place)
- Cry From The Sanatorium
Side B: 28:24
- Ground Zero : Infinity Dose
- Wars Of Islam
- Walking On Dead Steps
- Despair
- Serenace
[ SPK ]
Oblivion : vocals, bass
Jack Pinker : percussion, drums
TV Generator : visuals
Karel Van Bergen : mixing board

 SPKの、グレアム・リーヴェル自身による正規リリースのアルバムは、
1. Information Overload Unit (Side Effects, 1981)
2. Leichenschrei (Thermidor, Side Effects, 1982)
3. Auto Da Fe' (Walter Ulbricht, 1983/Mute/Grey Area, 1993) Compilation 1979-1983
4. Machine Age Voodoo (WEA/Elektra, 1984
5. Zamia Lehmanni: Songs of Byzantine Flowers (Side Effects, Normal, 1986)
6. Digitalis Ambigua: Gold & Poison (Nettwerk, Animalized, Regular, 1987)
7. Oceania (Side Effects, Normal, 1988) Live
 があり、このうちSide EffectsはSPK自身の自主制作レーベルです。他にカセット・テープ発売のみのアルバムで、
1) At The Crypt (Sterile Records, 1981) Live in UK, April 25, 1981
2) The Last Attempt At Paradise (28 April 1982) (Fresh Sounds, 1982) Live in USA, April 28, 1982
3) Wars of Islam (Hard TV, 1982) Live in Rome, November 12, 1982
4) From Science To Ritual (Plasma Tapes, 1983) Live in USA, April 24, 1982 & Live in Rome, November 12, 1982
 の4作があります。いずれもライヴで60/90分カセット・テープの収録で、1)はアルバム『Information Overload Unit』とアルバム『Leichenschrei』の間に発表され、2)、3)、4)はコンピレーション・アルバム『Auto Da Fe'』に先立ってリリースされました。4はイタリアのファンジン「Viva」の付録として発表されましたが、1~3はSPKの自主制作です。カセット・アルバム4種は正規CD化されておらず、海賊盤で出回っているのが現状です。SPKのアルバムのオリジナルはほとんど自主制作のため部数も非常に少なく、'90年代に中堅インディー・レーベルのMute/Grey AreaからCD化されるもすぐ廃盤になり、中古市場でしか入手できないプレミア盤になっています。
 SPKについてはこれまでもご紹介した通り、グレアム・リーヴェル(マルチ・インストルメント)とニール・ヒル(ヴォーカル、シンセサイザー)のコンビに随時メンバーが補充されライヴ活動やレコーディングを行っていました。ヒルには健康上の問題があり、上記のアルバム中では2の『Leichenschrei』、コンピレーション・アルバムである3『Auto Da Fe'』収録の1979年録音・発表のシングル5曲分(『Auto Da Fe'』A面)にしか参加していません。しかしヒル在籍時のSPKヒル不参加でもリーヴェルとヒル両者によるコンセプトで活動していたので、アルバム1~3はヒル不参加の1、また参加しているのか脱退後か明らかではないB面を含む3もヒルを含むSPKのコンセプトで作られたアルバムと言えるでしょう。またカセット・テープ・アルバムもヒルの参加は2と4の'82年4月分だけですが、ヒルが脱退した後も83年初夏頃までのSPKヒル在籍時のオリジナル・コンセプトのSPKとして活動していたのが非公式の発掘ライヴ音源からわかります。

 SPKのカセット・アルバムはいずれも100本程度の限定版ばかりでめったに聴いたことのあるリスナーはいなかったのですが、ブートレッグの複製版CDでようやく広まるようになり、今ではYou Tubeにアップされ手軽に試聴できるようになっています。SPKの公式サイトに掲載された詳細ディスコグラフィーによると上記の4作がSPKによる公式リリースとなっているのですがディスコグラフィー・サイトのdiscog.com、rateyourmusic.comではともに「War of Islam」をブートレッグ・リリースと見なしており、You Tubeにも同作だけがアップされていません。SPKディスコグラフィーはブートレッグ・リリースも掲載しているのですがこれも前記ディスコグラフィー・サイトの掲載作とは大きく異動があり、公式サイト掲載のブートレッグ・リリースは一応SPK自身によって準公式リリースと目されているようです。ニール・ヒル脱退後の『Metal Age Voodoo』期、『Zamia Lehmanni』期のライヴ、またニール・ヒル在籍時のヴィデオ・クリップとライヴ映像をまとめた映像作品『Despair』'82/2008はこれまでにご紹介しましたので、これら初期のニール・ヒル在籍時のライヴを収めたカセット・アルバムを2回に渡ってご紹介してSPKのほぼ全作品紹介を締めくくりたいと思います。内容は素晴らしいの一言に尽きます。就寝時の安らかな入眠のためのBGMにぴったりです。筆者はそういう風にSPKの音楽を聴いています。

※『Live At Crypt』は2019年にハーフ・オフィシャルCD化されました(OECD267, WWW.OLDEUROPACAFE.COM)。