これにアメリカン・ロックも加わるともう大変で、日本のロックも高水準のアルバムを出していたが全然振るわなかった。GSブームが去ってどのバンドも解散し、スパイダースから井上g・大野key、テンプターズから萩原voと大口ds、タイガースから沢田voと岸部(兄)bというスーパー・バンドPYGが組まれたがスタジオ盤の名作1枚とヤケクソな2枚組ライヴをかろうじて残しただけだった。「毎月のように何枚も洋楽の話題作がリリースされる」とリーダーの井上が後年懐述している。「レコード売れない、客席ガラガラ。解散の理由はそれだけです」
そこで今回の3組。実はイギリスのロック黄金時代を集めてる人なら大概持ってる定番。LP時代にも廃盤・再発を繰り返し、CD時代になってもしぶとい人気を誇ってきた。そういうアルバムが当時のイギリスのロックには山ほどあるが普通の人は誰も知らない。今回は「卑し系」をテーマに集めてみた。
(上)ツァール「ツァール」Czar'Czar'1970
テクのないクリムゾンの追従バンドが雰囲気だけ迫ってみた。2曲目は名曲。バンド名はロシア語のツァー(皇帝)だが、だからってこのジャケはないだろう。
(中)セカンド・ハンド「デス・メイビー・ユア・サンタクロース」Second Hand'Death May Be Your Santa Claus'1971
凄く癖の強いプログレッシヴ・ロックでカルト人気を誇る。1、2曲目は名曲。ジャケのサンタクロースの顔が顔じゃない。
(下)エリアス・ハルク「アンチェインド」Elias Hulk'Unchained'1970
このジャケはひどい!中身はサイケから独自進化したアングラ臭ぷんぷんのハード・ロックの快作で刹那的魅力。指の全くまわらないギターソロなど他にない快感満載。
いや、本当に中身はいいんですよ、中身は。