今回のタイトルは「ノイ!、クラスター、ハルモニア」としたかったが長くて入らなかった。画像はそれぞれの代表作、
○ノイ!「ノイ!」1971(画像1)
○クラスター「2」1972(画像2)
○ハルモニア「ハルモニア」1974(画像3)
になる。大まかに言えばクラフトワークのブレイク以前のシンセサイザー・ユニットで、タンジェリン・ドリームのブレイクと同時期にあたる。ポポル・ヴーはもうシンセサイザーをクラウス・シュルツに譲っていた。これで説明になっていますでしょうか?なっていませんね。
さらに補足するとアシュ・ラ・テンペルでチェロを弾いていたのがコンラッド・シュニッツラーでドラムスがソロ転向前のクラウス・シュルツでした。シュニッツラーがメビウスとローデウスと始めたバンドがクラスターで、シュニッツラーはすぐにソロに転向してクラスターはメビウスとローデウスのバンドになります。ノイ!のディンガーとローターは初期クラフトワークのライヴ要員でしたが独立してアルバム3作を発表、ローターがクラスターの2人と組んだのがハルモニアです。タンジェリン・ドリーム~クラフトワークが人気セールス知名度まとめてジャーマン・テクノの表街道だった時期、人脈的にはほとんど同級生も同然のミュージシャンたちにはそういう動きがあったのでした。しかも裏街道の連中のアルバムまで70年代に日本盤が発売されていたのは、外資系レコード会社の強力な圧力を感じます。ジャーマン・ロックはフレンチ・ロックと違って世界的な配給がされていた、ということです。
人名ばかりでほとんど落語のような内容になってしまいましたが、偶然にもこの人たちは音楽的にも非常に匿名性が高いんですね。結果としてその匿名性が個性になっている。タンジェリンのようなアシッド性ともクラフトワークのダンス・ミュージックとも電子音楽としての発想がさらに無機質なものになっている。
たとえばノイ!は90年頃を境に爆発的な再評価をされました。時代と共に古びる要素がなく、現代のロックにも要求される最小限の装飾性すらなかった。ひたすら頭打ちの8ビートにリズム的要素として電子音がからむだけです。
クラスター、ハルモニアとなるとリズム的要素すら稀薄になる。あえてお薦めはしません。ジャケ買いならぬジャケ載せです。