人生は野菜スープ~usamimi hawkrose diary

元雑誌フリーライター。勝手気儘に音楽、映画、現代詩、自炊などについて書いています。

(3)映画「ふたりはプリキュア2 」

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劇場用長篇第2作は前作と同年の暮れに公開。シリーズ中の同一作から2作の劇場用長篇が制作されたのはこの後は例がない(「Yes!プリキュア5」と続篇「Yes!プリキュア5GoGo!」は各1篇が制作されたが)。それが「映画ふたりはプリキュアMax Heart2 雪空のともだち」(05年12月・監督=志水淳児・東映配給・71分・興行収入5.7億円)。

前作は女児向けの良質な内容を目指して始終した観があったが、第2作では基本は守り、ストーリー上必要な展開ながらも、映画館で多数の女児が衝撃を受けて泣き出す、という事態が発生して、後続のプリキュア作品の目安になることになった。
伏線は映画の始めからあり、学校のスキー・ツアーに参加したプリキュアのふたりはスキー上手と初心者で気持がぎくしゃくしてしまう。一方ルミナスは「雲の園」から運搬中落ちてきた巨大な鳥の卵を見つけ、生まれてきた雛を「ひなた」となづけ可愛がる。雲の園の仙人が現れ、この雛は全世界にぬくもりを与える鳳凰の雛で、闇の世界の刺客フリーズンとフローズンに狙われていると告げ、プリキュアたちはひなたの護衛に雲の園に向かう。

プリキュア・シリーズは女の子同士の友情ドラマというのが魔法戦士ものと同等のウェイトを占めていて、おやつを食べるシーンとスキンシップの多さは中学生ではなく未就学年齢の女児のものだ。プリキュアの世界では中学生の女の子は頬ずりしたり抱きついたり、腕を組んだり手をつないだりするのが当たり前なので、これは第1作「ふたりはプリキュア」から放映中の第9作「スマイルプリキュア」まで変わらない女児向け要素だろう。

フリーズンとフローズンは世界を一面の氷に変えるため妖精界の太陽というべき鳳凰を雛のうちに抹殺しようとする。断崖の氷原で戦闘するが、気持にわだかまりのあるプリキュアたちは息が合わず苦戦する。
そこに、不意を突かれてキュアホワイトの心に氷が植え付けられ、キュアブラックを狙いはじめる。攻撃を防ぐだけで精一杯のブラック。退いた拍子にブラックにも氷が植え付けられ、ふたりの闘いは呪縛が解けるまで続く。
5分程度のシークエンスだが大人が見ても息を呑む。そりゃ女児は泣くわ。もちろん終りはハッピーエンドだが。(続く)