人生は野菜スープ~usamimi hawkrose diary

元雑誌フリーライター。勝手気儘に音楽、映画、現代詩、自炊などについて書いています。

ザ・ママス・アンド・ザ・パパス

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改めて見ても変なジャケットだ。アメリカ産フォーク・ロック、かつレッキング・クルー(当時のロサンゼルスのスタジオ・ミュージシャン集団)絡みでは、ママス・アンド・パパスはボブ・ディランよりもサイモン&ガーファンクル寄りになり、さらにバーズよりもビーチ・ボーイズに近かった。
このファースト・アルバム「夢のカリフォルニア」'If You Can Believe Your Eyes And Ears'(ジャケットのことか?)が出た1966年のアメリカはフォーク・ロックの当たり年で、ディラン「ブロンド・オン・ブロンド」、S&G「パセリ、セージ、ローズマリー&タイム」、バーズ「霧の五次元」、「ザ・ヤング・ラスカルズ」「ハムズ・オブ・ラヴィン・スプーンフル「ラヴ」、そしてビーチ・ボーイズ「ペット・サウンズ」の年でもある。
ちなみにイギリス勢を見ると、この年のビートルズストーンズ、アニマルズ、キンクスヤードバーズの新作は「リヴォルヴァー」「アフターマス」「アニマリズムス」「フェイス・トゥ・フェイス」「ロジャー・ジ・エンジニア」で、アメリカが早くも追いついたことがわかる。元々ロックはアメリカ音楽なのだ。フォーク・ロックの対極にあるフランク・ザッパマザーズ・オブ・インヴェンションのデビュー作「フリーク・アウト」もこの年で、ザッパの影響力はたちまちビートルズに匹敵するものになった。

このアルバム(全米No.1)はあまり顧みられることもないが、オリジナルの大ヒット曲をLPのAB各面トップに配し、渋い選曲をソフト・ロック・アレンジで聴かせる。いわばアメリカ版モッド(モダン)なのだ。歌詞だって「木の葉は枯れて、空は曇り…ぼくはカリフォルニアに思いを馳せる」と、決してオールディーズでは片づかないものがある。

SIDE A:1.Monday,Monday/2.Straight Shooter/3.Got A Feelin'/4.I Call Your Name/5.Do You Wanna Dance/6.Go Where You Wanna Go//SIDE B:7.California Dreaming/8.Spanish Harlem/9.Somebody Groovy/10.Hey Girl/11.You Baby/12.The In Crowd