人生は野菜スープ~usamimi hawkrose diary

元雑誌フリーライター。勝手気儘に音楽、映画、現代詩、自炊などについて書いています。

(31d)ウェイン・ショーター(ts)

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さて今回はショーターの60年代後期ブルー・ノート作品をご紹介したい。この時期はまるまるマイルス・クインテット在籍時に重なるから、前回ではマイルスの作品系列をご紹介した。
では、ショーターのアルバムを主役にこの時期の年表を作るとどうなるか?「」はマイルス・クインテットの、○はショーターの自己リーダー作を時系列に並べてみた。

「マイルス・イン・ベルリン」64.9*ライヴ
○スピーク・ノー・イーヴル(64.12)
○ザ・スースセイヤー(65.3)*ボツ
○エトセテラ(65.6)*ボツ
「E・S・P」65.8
○オール・シーイング・アイズ(65.10)
「アット・プラグド・ニッケル」65.12*ライヴ
○アダムズ・アップル(66.2・画像1)
「マイルス・スマイルズ」66.10
○シゾフレニア(67.3)*ボツ
ソーサラー」67.5
「ネフェルティティ」67.6
「ウォーター・ベイビーズ」67.6/68.11
「マイルス・イン・ザ・スカイ」68.5
キリマンジャロの娘」68.6/68.9
「イン・ア・サイレント・ウェイ」69.6
「ビッチズ・ブリュー」69.8
○スーパー・ノヴァ(69.9・画像2)
「ビッグ・ファン」69.11/70.2
○オデッセイ・オブ・イスカ(70.8・画像3)
○モト・グロッソ・フェイオ(70.8)*ボツ

と、よくまあ隙間をぬって自作アルバムも制作したものだ。ただ、さすがにマイルスの音楽に劇的な転換があった67年~69年はバイトどころではなかった。そして「スーパー・ノヴァ」ですついにショーターはマイルスから独立し得る個性とバンド掌握力を獲得する。それは同日録音の「モト・グロッソ・フェイオ」により顕著なように、あえて担当楽器の交換や女子高生ドラマーまで迎えても、素朴な精神性を追求した実はシンプルなジャズで、69年以降はショーターはソプラノ・サックスに専念。マイルスのバンドには70年3月まで在籍し、最後のライヴが発掘盤で正規に出ている(「ライヴ・アット・フィルモア・イースト(3月7日・1970)~イッツ・アバウト・ザット・タイム」2009年リリース)。