人生は野菜スープ~usamimi hawkrose diary

元雑誌フリーライター。勝手気儘に音楽、映画、現代詩、自炊などについて書いています。

(47a)ジミー・スミス(org)

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Jimmy Smith(1925-2005,organ)。
このシリーズは大物すぎて手におえないジャズマンは後回しにしてきた。ブルーベック、MJQ、ケントンなどはスケールがでかすぎてジャズから外れたこともガンガンやるし、作品数も多く変化に富んでいる。しかも詳しい日本語文献がないが、何とかやった。

そしてついに!ジャズ・オルガンの帝王ジミー・スミスをご紹介する。ブルーノート・レーベルから1956年に電撃的デビュー、60年までに同レーベルに27枚のアルバムを残す。未発表作品1枚、サイドマン作品は1作もないのも人気の高さ、売上げを物語る。デビュー年から死去までの60年間ジャズ雑誌の人気投票「その他の楽器」部門はオルガンのジミー・スミスが一位に君臨した。
ブルーノートはレコード番号(発売順)と録音年月日の照応も興味深いので、番号も附記する。
今回はデビューからの三部作になる。
A New Sound A New Star(1512)56.2.13,18(画像1)
The Champ/Jimmy Smith At The Organ Vol.2(1514)56.3.11(画像2)
The Incredible Jimmy Smith At The Organ Vol.3(1525)56.6.12(画像3)

ブルーノートはジャズマンに「ジーニアス」(セロニアス・モンク)とか「アメイジング」(バド・パウエル)など尊称をつけるのが好きだが、ジミー・スミスはこの後ずっと「インクレディブル」と呼ばれるようになる。
この三部作は、いずれもギターとドラムスとのトリオで、ベースはオルガンのペダル・ベースでこれがまたすごい。並の弦ベースより推進力がある。

第1作はまさに衝撃のデビュー作で、冒頭のスタンダード'The Way You Look Tonight'から嵐のような演奏。映画主題曲'The High And Mighty',ホレス・シルヴァーの'The Preacher'も早くも後のソウル・ジャズ路線を予告する選曲。

第2作、第3作ではデビュー作の攻撃性より柔軟性も増した。選曲は主にスタンダードだが、前者ではディジー・ガレスピーのタイトル曲、後者ではモンクの'Well You Needn't'が面白い。