人生は野菜スープ~usamimi hawkrose diary

元雑誌フリーライター。勝手気儘に音楽、映画、現代詩、自炊などについて書いています。

(補4f)ビル・エヴァンス(p)

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Bill Evans(1929-1980,piano)。
ジム・ホール(ギター)とのデュオ・アルバム「アンダーカレント」は斬新な企画で、ホールとエヴァンスは鋭敏な和声感や独創的なタイム感では双子のような演奏家だった。MJQのジョン・ルイスにもっとも高く評価された若手でもあり、このアルバムでもMJQの'Skating In Central Park'をやっている。モンクからの影響、アート・ファーマーとの親好など共通点も多い。白眉は意表を突いたアップテンポの'My Funny Valentine'で、モザイクのようにピアノとギターが絡みあうが、CDでリハーサル・テイクが発掘されて反響を呼んだ。ピアノとギターが衝突して散々な演奏なのだ。流石の名手二人も一発で名演を決めたのではなかった。

モチアンは留任、新ベーシストにチャック・イスラエルズを迎えた新生トリオは、新作ブランクを埋めあわせるため、
Moon Beams(画像1)62.5.17,29&6.5
How My Heart Sings(画像3)62.5.17&6.5
-を同時録音する。アルバム・ジャケット(前者は後にヴェルヴェット・アンダーグラウンドに参加するモデルのニコ)も対をなし、有名曲中心のバラード集の前者と馴染みの少ない新曲中心の後者という対比はあるが、ラファロ時代の緊張感が良い意味で解消された、寛いで充実したアルバムになっている。前者はもちろん後者も十分に新曲を消化しており、ベーシスト交代の不足感を感じさせない。前者では'Re:Person I Knew','If You Could See Me Now',後者ではタイトル曲、'In Your Own Sweet Way','Walking Up'が名演だろう。

ピアノ・トリオばかりでは飽きられる、というレコード会社の判断にエヴァンスも同意し、
Interplay(画像3)62.7.16-17
-はエヴァンス初の、トリオ以外のリーダー作になった。ありきたりな2管やワンホーンでなくギターにジム・ホールを加え、トランペットはアート・ファーマーに交渉したがスケジュール的に不可能で、若手No.1のフレディ・ハバードに決定した。タイトル曲のみエヴァンスの新曲で後は有名スタンダードだが、エヴァンスは初のクインテット作品で見事な成功をおさめている。