人生は野菜スープ~usamimi hawkrose diary

元雑誌フリーライター。勝手気儘に音楽、映画、現代詩、自炊などについて書いています。

(補7b)エルモ・ホープ(p)

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Elmo Hope(1923-1967,piano)。
続くブルーノート社の、
Lou Donaldson:Quartet/Quintet/Sextet(画像1)54.8.22
-も10インチLPのカップリングで、ホープ参加はセクステットの4曲だが、スタンダード1曲、ホープ1曲、ドナルドソン2曲でロリンズの「ムーヴィング・アウト」よりものびのびしている。ケニー・ドーハム(トランペット)、パーシー・ヒース(ベース)、アート・ブレイキー(ドラムス)と、ホープ以外にも三人もメンバーが共通しているのだがリーダーの資質の違いか、やはりドナルドソンの参加した「クリフォード・ブラウン・メモリアル・アルバム」と共通した一体感がある。ロリンズだと「ロリンズとバックバンド」という感じになってしまうのだ。このアルバムの曲は獄中でラジオの時間にかかって、ああエルモ・ホープだ、と泣けてきたので個人的に思い出が深い。

ロリンズ盤に続いてプレスティッジ社に録音した、
Meditations(画像2)55.7.28
-は初の12インチ(30cm)盤リーダー作で、当時はまだ少ないピアノ・トリオのフル・アルバム。全11曲中5曲がオリジナル、6曲がスタンダード。後にモンクのベーシストになるジョン・オーとミンガスのドラムスを勤めたウィリー・ジョーンズがさりげなく良い。スタンダードの選曲も奇をてらわず有名曲を真っ向から取り上げて嫌みがなく、オリジナルと半々という企画も成功している。
だが55年といえばバド・パウエルの凋落期、トリスターノは沈黙、モンクの第一線復帰の時期にあたる。ホープから彼ら巨匠の影響を取り去ると残るのは微妙な「味」と言うしかないもので、同じ同時期の不遇ピアニストでも、ハービー・ニコルス、リチャード・ツワージクらのような破天荒な個性ではなかった。

次作、
Hope Meets Foster(画像3)55.10.4
-はブルーノート社のクインテット録音でも組んだフランク・フォスター(テナーサックス)との共同リーダー作。トランペットのフリーマン・リーが3曲のみ参加。全6曲中ホープ3曲、フォスター2曲、アップテンポで'Georgia On My Mind'もやっている。アメリカの音楽サイトの評は「何も特筆することはないが、ビ・バップ愛好家なら楽しめるだろう」と愛がない。