人生は野菜スープ~usamimi hawkrose diary

元雑誌フリーライター。勝手気儘に音楽、映画、現代詩、自炊などについて書いています。

夏の風

夏の嵐といえばヴィスコンティの名作で、栃の嵐といえばこまわり君(がきデカ)の愛犬だが、この書き出しでもお察しの通り今日は頭がパーだった。寝冷えしてしまったのだ。午前四時半に鬱特有の早朝覚醒し、寝直さないと持たないから一応朝の服薬に起きると、手足が冷たく鼻の奥がツーンとひりひりする。やってしまった。今週は急に気候が蒸れてきて、部屋ではトランクスとTシャツだけで過ごすことが多かった。昨夜はそのままの格好で、掛け布団は横に寄せお腹だけ毛布で覆って寝たのだ。

早朝覚醒まではほんの短い時間眠っただけだが、睡眠中は当然代謝は落ちて体温が下がる。寒くなってきたら無意識に布団を引き寄せるだろう、と自己防衛本能を過信していたが、甘かった。幸い夏風邪には至らなかったが、その手前にまで行った。

これがトランクスだからそのまま寝たので、ブリーフなら下だけでもパジャマを履いたと思う。トランクスには「見られても平気」という妙な安心感がある。雑居房でも夏だったからみんな寝る時はTシャツにトランクスだった(女囚房はどうだろうか?)。精神病棟は空調が効いているから寝る時はパジャマだが、集団入浴の時に見たかぎりではブリーフ着用者はひとりだけだった。

男の場合下着には装飾や体型補正的な意味はあまりないから(ヘルニアの矯正ベルト等は下着とは別)実用的にはブリーフとトランクスにはそれぞれの長所がある。下腹部や泌尿器の保護はブリーフのほうが優れるから、母親は男児にブリーフを履かせる。

男の子がトランクスに鞍替えするのは中学生~高校生にかけてだろう。装飾的な意味ではないが、男の子だけの集団生活ではトランクスは短パンのようなものであり、ブリーフではうろうろできないがトランクスなら火事や地震があっても逃げられる。

女性の場合はよくわからない。恋人や妻に訊いておけばよかった。実用的な面も装飾的な意味も大きいだろう。それなりに苦労話は聞いたが、ぼく自身はあまり興味はなかった。
一昨年つきあった女性は会うたび毎回新品のパンティを卸していた。別れた妻は10枚も持っていなかったと思う。ブラジャーではみんな実用的な面で苦労していたようだ。

何も考えずに夏風邪から始めたら、思いもよらずトランクスの話になってしまった。ちなみに栃の嵐はふんどしを締めている。