人生は野菜スープ~usamimi hawkrose diary

元雑誌フリーライター。勝手気儘に音楽、映画、現代詩、自炊などについて書いています。

(補9a)ハービー・ハンコック(p)

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Herbie Hancock(1941-,piano)。
ハンコックの楽歴も半世紀を越えるがその間常に第一線におり、録音も当然膨大となるとデビューから巨匠の風格に至るまででひと区切りとしたい。その上ハンコックはリーダー作に匹敵する質量のサイドマン参加作があり、61年のデビューから70年の最後のマイルス参加作まで、ハンコック関連作品だけでも60年代ジャズは語れるほどだ。
10代でシカゴのジャズ界でハード・バップを学び、マイルス「カインド・オブ・ブルー」からビル・エヴァンスを研究し、トランペットのドナルド・バードに見出だされてニューヨークに進出し、ブルーノート社と専属契約したのは20歳の時だった。

バード作品への参加はシカゴ時代に初録音があったがブルーノートでの第1作'Chant'61.4.17は没になった(70年代末に発表)。発表作では、
Donald Byrd:Royal Flush(画像1)61.9.21
-が、ハンコックのブルーノート初録音になる。フロントはバードとペッパー・アダムズ(バリトンサックス)で、ベースとドラムスは後にモンクのバンドに引き抜かれるブッチ・ウォレンとビリー・ヒギンズ。全6曲中オリジナル5曲(バード4曲ハンコック1曲)で、スタンダードは'I'm A Fool To Want You'(テレサ・テン『愛人』の元曲)。ハンコック曲は'Requiem'で十分にハンコックらしく、バード曲では'Hush','Shangri-La'が人気が高い。

初リーダー作は翌年の、
Takin' Off(画像2)62.5.28
-で、ハンコックは四月生れだから21歳になったばかり。全6曲がオリジナルでベースとドラムスはウォレンとヒギンズ、フロントは若手No.1のフレディ・ハバード(トランペット)に大ヴェテランのデクスター・ゴードン(テナーサックス)の2管クインテット
曲の良さ、楽曲とアルバム全体の構成の見事さ、メンバーの仕切りの巧さなど、21歳の初リーダー作とは思えない完成度。今なら即大手に版権ごと移籍だろう。実際代表曲'Watermelon Man'はたちまちスタンダード化し、カヴァー多数の特大ヒット曲となる。

Freddie Hubbard:Hub-Tones(画像3)62.10.10
-に触れる紙幅がない。次回で解説する。