(補10d)アンドリュー・ヒル(p)



連作第5作の、
Andrew!!!(画像1)64.6.25
-は前4作から間を置いて発表された。ハッチャーソン(ヴィブラフォン)、デイヴィス(ベース)、ジョー・チェンバース(ドラムス)にジョン・ギルモア(テナーサックス)のワンホーン・クインテット。これは「離心点」よりすっきりしていて聴きやすく、ヒルの本来の音楽性が出ている。ギルモアはサン・ラ・アーケストラのメンバーで、コルトレーンをも唸らせた人だがあまり出番がなく、ソロもヒルの指示かジョー・ヘンダーソンそっくりに吹いている。アルバム冒頭の'The Griots'からテナーなしのカルテットで、全編がサックスは味つけ程度だが、成功作だからいいだろう。
ここからヒルの未発表作の時期が始まる。
Pax(画像2)65.2.10
-は他の未発表録音とともに75年に発掘発表され、単独アルバムは2006年のCD化までまとめられなかった。編成はフレディ・ハバード(トランペット)、ジョー・ヘンダーソンにデイヴィスとチェンバースの2管クインテット。オーソドックスな編成だからか、ストレートなバップ的テーマ・アンサンブルで一曲目の'Eris'や続くタイトル曲から乗りがいい。ただしヒルのプレイはバックもソロも大暴れして、「離心点」でのようにホーンに位負けしていない。'Eris'など途中でエイト・ビートとのポリリズムになる展開などハッとするのに未発表とは、初期5作のセールス不振を勘ぐらざるをえない。
Bobby Hutcherson:Dialogue(画像3)65.4.3
-はハッチャーソンの処女作だが実質的にヒルとチェンバースの共同リーダー作だった。次回で触れる。