人生は野菜スープ~usamimi hawkrose diary

元雑誌フリーライター。勝手気儘に音楽、映画、現代詩、自炊などについて書いています。

アル中病棟入院記63(アル中病棟の思い出改題)

イメージ 1

・2010年3月24日(水)雨
「昨夜は睡眠導入剤でフラフラのKくんを寝かせつけるまで面倒をみて(一旦寝かせたがトイレに行くというのでつきあう。足元が危なっかしい)、まだ10時半だったので眠気が起らず、誰もいなくなったデイルームで『レコード・コレクターズ』の読みかけのトム・ウェイツ特集をデイルーム消灯間際まで読み進め、部屋に戻り隣のKくんの安眠を確認して横になる。看護婦が巡回してくる時間には間に合って狸寝入りする。そろそろ一巡して引き上げたかな、という頃合まで待ち、パジャマ姿のまま喫煙室で就寝前の一服。寝つきは良く、朝も自然に気持良く起きてひげそり・洗顔を済ませ、デイルームに行くともう7時40分だった」

「部屋を出る時隣のベッドのKくんに声をかけたのだが熟睡している。寝覚めの一服を終える頃にちょうど朝食のワゴン到着。自分の分とKくんのトレイを取りテーブルに置いてから、後ろのテーブルのMさんFさんSmくんに起してきます、と通りすがりに言いのこして部屋に戻り、静かにカーテンを開けて肩を揺り、朝飯もう来てるよ。ん?ああ…彼は睡眠導入剤が寝起きに残る体質のようだ」

「水曜日は毎日恒例の朝の会が9時40分に加えて、毎週恒例の全体会が10時からある。ついに誰とも話す姿を見なかったHsさんが朝の会で退院のあいさつ、10時退院。帰宅外泊者も朝の会は出てからなのでTsさんとHAも朝の会の後で二泊三日の帰宅外泊。婦長が司会。3月29日~4月4日の日直は203と209(部屋番号)、掃除監督は佐伯さんどうですか?といきなり指名される。事前に話がありもせず、衆目の前で指名されては断りようがない。教えていただけるならやります。もちろんです」

「幸い掃除監督はもうひとり、Ynさんに決まる。そろそろ最後のお務めでKgさんどうですか?と振られたのだが私できません、と断ったからだ。ではYnさん、ということはこの二人は退院予定日が近いのだろう。退院前の学習発表は酒歴発表と呼ばれるが、Ymさんは19日、UzさんとTkさんは26日になる」

「全病棟の消毒ガス散布に併せてフィールドワーク、または特別OT(作業療法)、早い話遠足について内容確認(注)。これは毎年恒例のお花見だそうだ」(続く)

(注)報告や確認と言っても患者への一方的通達、あるいは命令なのだが。