人生は野菜スープ~usamimi hawkrose diary

元雑誌フリーライター。勝手気儘に音楽、映画、現代詩、自炊などについて書いています。

アル中病棟入院記90

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・3月27日(土)晴れ
(前回から続く)
「そういえば朝の会の前に喫煙室でFさんがSkさんに尋ねていた。何時ごろ起きられるんです?朝5時ですね。昨晩寝たのは…?11時かな。眠りの質が深いんでしょうね、はっはっは。毎晩あんなだったらおれ、移室させてもらおうかな、とその後FさんはKくんにこぼしていた。こればかりは他人がどうこうできる問題ではない。移室というのもよほどの理由がないと…それに本人が普通の人なら同室では眠れない大いびきとなると、人格的にはともかく生理的?(笑)にははた迷惑な同士を同じ部屋にするのは、被害者が出ないという点で合理的でもある」

「朝食はあっさり洋食だったが昼食はビーフシチューと米飯、大根サラダ、和え物と『気になる野菜・マスカット+キャベツ』というジュース。Kくんはサラダも和え物もパス(毎度だが彼には食べられる野菜はあるのか?)ビーフシチューと米飯だけではヴォリューム不足だろうがおいしく平らげた様子(だがやはり人参は残す)。彼の器に盛られたカレーやシチューの人参は不幸だ。食事の前の喫煙室でUzさんが、もうずっと便秘気味で…朝の会の後で、部屋で体操してたらだるくなってベッドに入って眠っちゃった。入院してから日中に寝たりしたことなんか一度もないのに。今がそういう時期なのよ、とお照さんが慰めていたが、Uzさんはまったく食事に手をつけない。食欲ぜんぜんない。食べる?(さすがにまるごと残すと後で看護婦から注意を受ける)いただきます、とサラダと和え物は全部、ビーフシチュー(Kくんには人参抜き)と半々に自分たちの食器に移して平らげる。ジュースだけならUzさんも飲めるので、替りに譲る」

「午後は日記書き。そういえば、Kくんの朝の第一声は(廊下を向かってきながら)やばいよSmちゃん、躁になってるよ。おはようSmくん、朝から飛ばしまくってるんだって?この二人は主治医が院長のTj先生で、月曜が受診曜日だが来週は院長が学会出席で休診、水曜と土曜が外来受診日で入院患者の臨時受診も可だが水曜が臨時休診だったので来週の月曜に買い物や銀行の用事で外出許可が取りたいKくん、土曜から月曜まで二泊三日の帰宅外泊許可が取りたいSmくんの二人は繰り上げ診察待ちで朝から焦り、ようやく夕方4時に番が回ってきて二人とも許可を取り、Smくんはそそくさと帰って行った」(続く)