人生は野菜スープ~usamimi hawkrose diary

元雑誌フリーライター。勝手気儘に音楽、映画、現代詩、自炊などについて書いています。

アル中病棟入院記113

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・3月30日(火)曇りのち晴れ
「彼らがずっと喫煙室を占拠しているのは、煙草を喫いにいくたびに必ずいることでもわかる。一時間でも二時間でもいるのだ。Kくんともどもこりゃなんとかすべきだな、こないだだけじゃ全然懲りなかったわけだ。彼とナースステーションで投書箱の場所を教えてもらい(全然目立たない)月曜の朝の会で確認された喫煙室使用の注意事項が一部の患者によって守られていない、そのため他の利用者のさまたげになっている。あとペナルティかい?喫煙室室使用の規則の違反者は喫煙室使用不可を提案でどうだ?じゃあ投書箱に入れようか。ああ、おれも今度の議題にするよ」

「夕食時間になりデイルームに行くとSmくんがぐったりした様子で血圧測定されている。同程度の体型ながらKくんは堅肥り、Smくんはぽっちゃり型で、浴室で彼が出て行ったあとKくんが、あいつおっぱいありやんの(ちなみにNk老画伯は立派な白髪の胸毛がある)と面白がっていたが今現在の体調不順は肥満ではあるまい。そういえば湯上がりに、あー温ったまった、奥さんと外で一時間も話していたからと言ってたっけ。買い物からなかなか戻らなかったのは長電話だったのだ。調子を崩したのはそのせいだろう。院内は待合室でメールを打つのは許されるが通話するわけにはいかない。病院の玄関前のベンチかコンビニ前のベンチで吹きさらしで携帯電話から通話したのだ。彼も入院から一か月以上になるし、週末ごとに帰宅していたとはいえ入院生活は無菌室のようなものだ。Mさんのように足の怪我ならともかく、われわれ(KくんやFさん)のようにおばさまたちとの散歩仲間にも加わらず一日中ベッドで漫画を読んでいることが多い。一時間も吹きさらしでいれば風邪気味にもなるだろう」

「夕食は中華丼の別盛り、こんにゃくと人参・ごぼうの煮付け、刻み納豆ときゃべつの和え物、キウイ。Kくんは中華丼とこんにゃくしか食べないで後はこちらに寄越す。同じテーブルにはKuが加わりKuが真っ先に食べ終える。TkさんとKくんはほぼ同時だが今回はTkさんが早い。キウイ固くて酸っぱい、と彼女が言うのでKくんに固形のキウイは食えん、ともらったうち一つ食べてみる。どれどれ。早く感想言えよ、皆な待ってるんだぞ。これより固くて酸っぱいのを食べたことがある。私のもあげる、とUzさん」(続く)