人生は野菜スープ~usamimi hawkrose diary

元雑誌フリーライター。勝手気儘に音楽、映画、現代詩、自炊などについて書いています。

偽ムーミン谷のレストラン(58)

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ええと続きだったな、どこまで話は進んだっけ?
ヘムル署長たちがテーブルを直したところだよ、と偽ムーミン。ほほう、とたちまちムーミンパパは皮肉を浴びせかけました。よそのテーブルのことの方が家族の会話より気にかかるのかね?実は私もさっきから気になっているがね。あちらはなにしろムーミン谷の法を自由にできる方々だし、どさくさまぎれに何やらしてはならないことまでやってらっしゃるご様子だ。しかもいい歳どころか現役長老格に当る方々が、まあスティンキーは従者みたいなものだから別としても、好き好んで型にテーブルを寄せて座ってらっしゃるとはいったいどういうことだろう?悪だくみをしております、といわんばかりではないかねムーミン
やたら絡むなあこの親父、と偽ムーミンは閉口しましたが、ムーミンママが珍しく積極的にまああなた、そんなことを言われてもこの子が困っているじゃありませんか、ととりなしてくれたのがかえって不安をかき立てました。ひょっとしたらこのおばさんはとっくにおれの正体をお見通しなのではなかろうか。ならばおれを泳がしておく理由はただ一つ、ムーミンパパとおれの掛け合いをせせら笑っていたいからとしか考えられない。
あるいは本当に実の息子の身を案じて、おれが無事に息子を返すよう一緒にムーミンパパをあざむいてくれているのかもしれない。だが普通そんなに殊勝なことをするか?疑い半分だまされ半分がいいところなのではないか?と(偽)ムーミンがせわしなく考えをめぐらせていると、
・熟女パブの話ですよ
とあっけなくムーミンママが話題を戻したので偽ムーミンは一気に混乱し、
・それと熟女サロン
とつられてつけ加えてしまいました。偽ムーミンだってそんな話題はもううんざりだったのです。
おお、とその割にはムーミンパパの反応は薄く、さも面倒くさそうに、どこまで話したんだっけなあ?
共通点は済んだから、今度は相違点の話だよ、と半ばやけくそ、毒食らわば皿の気分で偽ムーミンは吐き捨てました。
(52)で終っときゃ良かったな、で作者死亡で未完。それじゃ、相違点行こう。わざわざ熟女パブと熟女サロンの二種類があるのは、一方は熟女が働く店、もう一方は熟女が遊ぶ店に違いない。以上話はお終い。
次はわしらの番だな、とヘムレンさんは言いました。これだけ期待値が下がるといっそ楽かもしれんぞ。